日本航空(JAL/JL、9201)は4月17日から、手荷物の搬送にロボットを用いた実証実験を、福岡空港で展開している。車いす利用者など、両手がふさがった利用客の手荷物を、空港の出口まで搬送し支援する。19日には報道関係者に公開し、手荷物運搬のデモンストレーションを実施した。
使用するロボットはオムロン(6645)のモバイルロボット「LDシリーズ」。人や障害物などを検知して進み、指定の場所まで進むことができる。同ロボットは導入する企業がカスタマイズできる仕組みで、JALは天板部分に荷物運搬用の箱を設置した。
ロボットは重さ60キロ。60キロまでの荷物を運搬する。時速6.5キロで進むことができるが、JALは時速3キロに設定し、空港北到着口から最寄り出口までの100メートル程度を2分少々で進む。音楽を鳴らし、一般の利用者に注意を促しながら移動する。目的地はロボットに設置したタッチパネルで指定する。
JALの地上係員は、車いすやベビーカー利用者の手荷物を受取所で受け取り、ロボットで運搬する。地上係員は車いすを押すなどして、利用者をサポートする。これまでは地上係員が荷物を運びながら、車いすを押していた。
実証実験は4月28日まで、福岡空港国内線ビルで展開。終了後、本格導入や他空港への展開を検討する。
福岡空港での車いす利用者は、1日あたり10人程度。ベビーカーは1便あたり2人から4人程度が利用している。
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