エアライン — 2017年4月3日 22:00 JST

JAL植木社長「成長というものを誤解しないで」17年度入社式

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　日本航空（JAL/JL、9201）は4月3日、グループ合同の入社式を東京・羽田の格納庫で開いた。グループ34社1668人と他企業からの出向者など4人の計1672人が集まり、閉式後は鶴丸ロゴの人文字を描き出した後、紙飛行機を飛ばした。

人文字で鶴丸ロゴを描くリハーサルで色紙を掲げるJALの新入社員＝17年4月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

「成長というものを誤解していただきたくない」と入社式で訓示するJALの植木社長＝17年4月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　植木義晴社長は「成長というものを誤解していただきたくない。一般的には、規模や売上高を競うものだと思われるが、われわれの目指すものは企業理念の達成であり、世界で一番選ばれ愛される航空会社となること」と訓示。「選ばれ愛されるためには、社会にとって価値のある会社でなければならない。世の中のお役に立てる会社、これこそがわれわれの成長だということを、肝に銘じていただきたい」と述べた。

　新入社員代表の松本誠也さん（業務企画職）は、「当たり前を当たり前と思わず、常にお客様への感謝の気持ちを忘れずに、社会に貢献する」と宣誓した。

　入社式を終えた新入社員は、赤と白、黒の色紙を手に鶴丸ロゴを「テイクオフ」のかけ声に合わせて描き出し、入社後初の共同作業を行った。その後は、紙飛行機を「明日の空へ、テイクオフ」のかけ声に合わせて一斉に飛ばし、恒例となった行事を体験した。

羽田の格納庫で開かれた入社式に出席するJALの新入社員＝17年4月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　新入社員を代表し、運航乗務職訓練生の長崎智大（ちひろ）さんは「目の前のことに全力で取り組みたい」、客室乗務員の渋谷夏絵さんは「日本の良さを世界に発信し、お客様ひとり一人を魅了できるようにしたい」、業務企画職技術系の世古明史さんは「安全な機体を提供するよう、気を抜かずに頑張りたい」、同事務系の宇都宮直人（なおひと）さんは「いち早く一人前になり、お客様のために出来る限りの挑戦をしていきたい」、JALスカイの地上係員の佐藤唯さんは「お客様との一瞬の出会いを大切にしたい」と抱負を語った。

　JALは2010年1月に経営破綻し、2012年9月に再上場を果たした。2013年4月に経営破綻以来3年ぶりの入社式を開き、今回は再上場後5回目となった。

　植木社長は、破綻を経験していない社員が増えていくなかで、どのように語り継いでいくかについて、「毎月1回、役員と主要な部長300人くらいでリーダー勉強会をやってきたが、新入社員を7割くらい入れて、破綻を経験した役員クラスの者が話す会を開いている。3万人いれば3万人の破綻があり、それを正直に話して感じてもらう取り組みをやっていきたい」と述べた。

　「新入社員は入社した時から（全社員が持つべき価値観や考え方を示した）JALフィロソフィを学んでいる。非常に無垢な心の中に浸透し、素直に実践できるので、破綻前からいた社員以上に期待している」と語った。

　入社式の参加者は、客室乗務員を昨年より57人多く370人採用したことなどから、昨年と比べて約200人増えた。業務企画職は事務系と技術系ともに半数弱を女性が占め、JALによるとこれまでよりも女性社員が増えているという。

＊写真は22枚。