羽田空港国際線ターミナルを運営する東京国際空港ターミナル(TIAT)と、成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は3月29日、保安検査にボディスキャナーの導入を開始した。それぞれ、国際線の出発客を対象に検査する。
ボディスキャナーは、保安検査場で乗客が爆発物や銃器、刃物など、持ち込み禁止物を所持していないかを電波で検査する機器。欧米の空港などで導入が進んでおり、検査時間が10秒程度と、係員が接触検査するよりも短時間で効果的に検査できる。
プライバシー保護の観点から、係員が見る画面内の人の形をしたイラスト内に検査結果を表示。データも検査の都度自動で消去される。使用する電波の「ミリ波」は、携帯電話の数百分の1から1万分の1の電波強度で、放射線と異なり身体への影響がないという。車いすやペースメーカーなどの医療機器を利用している人は、保安検査場の係員に相談してもらう。
羽田では3階中央と北側保安検査場に、米L3社の「Provision 2」を設置する。Provision 2は、機器内部で両手を上げて約3秒間停止すると、7秒から10秒で結果が出る。
成田では第1と第2、第3ターミナル各国際線保安検査場に、スイス・ハイマン社の「eqo(エコー)」を設置する。eqoは、両手を上げて機器内部で被験者が360度回転し、12秒から20秒で検出する。
国土交通省航空局(JCAB)は、2015年10月から12月まで、羽田と成田、関西空港でボディスキャナーの評価実験を実施した。2010年7月から9月に成田で実施したが、実験で使用した機器の一部にプライバシー保護の観点で課題があるものがあったという。
関連リンク
羽田空港国際線旅客ターミナル
成田国際空港
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