バニラエア(VNL/JW)は3月18日、関西-函館線を1日1往復で開設した。函館へのLCC就航は、2月19日に就航した同社の成田線に続く2路線目。4月5日までの季節運航で、その後の運航スケジュールは決定していない。
—記事の概要—
・通年運航「85%超えれば検討」
・ピーチ子会社化後の機材計画「変更ないと捉えている」
通年運航「85%超えれば検討」
バニラはANAホールディングス(ANAHD、9202)が100%出資するLCCで、機材はエアバスA320型機(1クラス180席)を12機保有。関西-函館線の運航スケジュールは、函館行きJW971便は関西空港を午後0時15分に出発し、午後1時55分に着く。折り返しの関西行きJW972便は、午後2時35分に出発し、午後4時45分に到着する。
18日の関空発初便のJW971便は、乗客165人(幼児1人含む)を乗せ、定刻の午後0時15分に21番スポット(駐機場)から出発。同25分に離陸し、函館へ向かった。機材は2月20日に受領したばかりの、最新の12号機(登録番号JA12VA)が投入された。
バニラの関空発着路線は、2016年4月27日就航の台北線、今年2月18日の成田線に続き3路線目。夏ダイヤが始まる26日には、奄美大島線を就航させて4路線となる。
2013年12月20日に就航したバニラの路線数は、関西-函館線の就航により、国内線6路線と国際線7路線の計13路線に拡大。函館と奄美大島は成田からも就航しており、バニラの単独路線となっている。累計搭乗者数は、11日に500万人を達成した。
関空で開かれた就航式典で、バニラの山室美緒子副社長は、「函館はグルメ、夜景、観光スポットと魅力が多くあり、年間500万人が訪れている。関空と函館は1200キロ、飛行時間で2時間の距離がある。お求めやすい運賃で二つの都市の距離を縮めたい」と抱負を語った。
関西-函館線の運航期間は、現時点では18日から4月5日までの19日間のみ。山室副社長は、通年運航の可能性について、「搭乗率が85%を超えれば検討したい。インバウンドのお客様にも(関空で)乗り継いで欲しい」と述べるに留めた。
ピーチ子会社化後の機材計画「変更ないと捉えている」
一方、親会社のANAHDは、現在は持分法適用会社で関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)を、4月10日付で連結子会社化する。
バニラの山室副社長は「今後も両社のブランドを維持していくので、バニラらしさを維持していく。お客様の利便性向上や、コスト削減につながるものがあれば、ピーチさんとも協力していきたい」と語った。
また、2020年度末までに25機体制にする計画については、「事業計画や路線計画は今まで通り個社で決めていくので、変更はないと捉えている」と述べた。
また、関空のある泉佐野市、成田空港の成田市、函館空港の函館市の3市が、災害時相互応援協定を、関西-函館線就航と同じ18日に締結。大規模地震などの災害が発生し、被災自治体が単独では十分な応急対応ができない場合、応急復旧に必要な資材や物資の提供、職員の派遣などを実施する。
3空港に就航するバニラは、「地域貢献にも積極的に携わりたい」(山室副社長)として、輸送協力などを検討していくという。
運航スケジュール(4月5日まで)
JW971 関西(12:15)→函館(13:55)
JW972 函館(14:35)→関西(16:45)
*月火金は25分遅発
*3/19は55分遅発
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