スカンジナビア航空(SAS/SK)は2月23日、コペンハーゲン-成田線を2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに羽田発着への変更を目指す考えを明らかにした。2019年から受領を予定しているエアバスA350-900型機についても、オリンピック開催までに日本へ就航させたい意向を示した。
成田から移管
スカンジナビア航空は、スウェーデンとデンマーク、ノルウェーの3国が出資し、1946年設立。航空連合は全日本空輸(ANA/NH)と同じ「スターアライアンス」に加盟している。
日本路線は、デンマークのコペンハーゲンと成田を結ぶ1路線のみ。エアバスA340-300型機の新仕様機(247席:ビジネス40席、プレミアムエコノミー28席、エコノミー179席)で、1日1往復運航している。
初の日本路線は1951年開設のストックホルム-羽田線で、所要時間は片道55時間だった。1957年2月24日には、コペンハーゲン-羽田線を世界初となるアンカレッジ経由の北極ルートに変更。所要時間を32時間半に短縮した。1971年4月3日からは、シベリア上空を通過するモスクワ経由に切り替えて13時間とし、成田就航後の1987年9月1日からは直行便となり、約11時間30分で結んでいる。
羽田空港は、2020年までに国際線発着枠の増枠が検討されている。アジア太平洋地区のレイフ・ニルソン総支配人は「成田を羽田に動かしたい」と述べ、新たに配分される発着枠を獲得し、既存の成田発着便を羽田へ移す意向を示した。
成田路線に関する外国航空会社の動きでは、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)が成田唯一の自社運航路線だったフランクフルト線を、1月10日の成田発便から運休。3月26日から始まる夏ダイヤも運休を継続し、冬ダイヤ以降の再開は未定となっている。
SASはA350-900を8機発注済みで、2019年に受領を開始する予定。日本路線への投入時期については、運航に必要な2機が揃った段階で早期就航を目指す。
一方、羽田・成田以外の日本路線開設の予定について、アンネリー・ナッセン副社長は計画はないと語った。
北極ルート60周年キャンペーンも
SASでは、機内インターネット接続サービスの速度向上など、今年はデジタル分野のサービス向上を進める。ナッセン副社長によると、現在のネット接続サービスは通信容量が1機あたり12MBであるのに対し、今夏に中距離路線に投入する次世代システムでは1人あたり12MBとし、動画のストリーミングサービスも利用できるようになるという。
また、北極ルート開設60周年を迎えたことから、成田発着便のキャンペーンを実施。3月3日までの予約で、エコノミークラス「SAS GO」を7万円から、プレミアムエコノミークラス「SAS PLUS」を11万5000円から、ビジネスクラス「SAS BUSINESS」は26万5000円から販売する。いずれも税・燃油サーチャージ込み。
適用都市はコペンハーゲンとストックホルム、ヨーテボリ、オスロ、ベルゲン、ヘルシンキ、スタバンゲル。キャンペーン運賃の旅行期間は、4月1日から2018年2月28日までで、6月2日から9月30日までは対象外となる。
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