成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は2月23日、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)のフランクフルト線運休について、「事実上の撤退となったことは大変残念」と述べ、運航再開については「情報を持ち合わせていない」とした。
ルフトハンザは需給調整により、成田への唯一の自社運航路線だったフランクフルト線を、1月10日の成田発便から暫定運休。3月26日から始まる2017年夏ダイヤでも運休を決定し、冬ダイヤ以降の運航再開は未定となっている。
現在は羽田にフランクフルトとミュンヘンから2路線を運航している。羽田へ乗り入れる場合、成田からも同じ国へ向かう便を残すという紳士協定、いわゆる“成田縛り”の例外を国土交通省航空局(JCAB)から受けている。
夏目社長は「1978年5月の開港以来、ルフトハンザには運航していただいた」と述べ、「1月9日の運航を最後に、自社運航便が事実上の撤退となったことは大変残念だと思っている」としながらも、引き続きルフトハンザ側に働きかけていく意向を示した。
冬ダイヤ以降での運航再開については、「情報を持ち合わせていない。聞いていない」と述べるに留めた。
ルフトハンザのドナルド・ブンケンブルク日本支社長は、2017年冬ダイヤ以降の成田便について、「冬ダイヤのステータスは現在、『評価中』となっている」とし、「仮に冬以降も成田便を再開しないと判断したとすると、例外の適用を再度申請しなければならない」と述べている。さらに「羽田と成田に同時就航したため、座席数の余剰が発生した」と続け、「このことから、1月での暫定運休を判断した」と理解を求めている。
成田からのドイツ路線は日系航空各社による2路線のみで、日本航空(JAL/JL、9201)がフランクフルト線を、全日本空輸(ANA/NH)がデュッセルドルフ線を1日1往復ずつ運航している。ルフトハンザはANAが運航するデュッセルドルフ線でコードシェア(共同運航)を実施している。
ルフトハンザは自社便での運航を休止しているが、グループ会社のスイス インターナショナル エアラインズ(SWR/LX)が、チューリッヒ-成田線を1日1往復運航している。
ルフトハンザはフランクフルト-成田線を週3往復、エアバスA340-300型機(251-298席)で運航していた。一方の羽田路線は、フランクフルトから1日1往復をボーイング747-8型機(340-364席)で、ミュンヘンから週5往復をA340-600(281-297席)で運航している。
関連リンク
成田国際空港
ルフトハンザ ドイツ航空
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