2016年は世界各国から、過去最高となる2403万9000人が訪日した。訪日客数は前年比21.8%増ながらも、中国人客を始めとする訪日客による、いわゆる「爆買い」は下火になってきている。
中部空港(セントレア)では訪日客の拡大を見越し、商業施設など非航空事業の拡大に努めている。2013年には家電量販店をオープン。炊飯器やカメラ、温水便座などのがよく売れていたという。しかし、2016年4月に中国での税体系変更以降、その人気は菓子や化粧品などシフトしつつある。
セントレアでは訪日客は増加しているものの、免税店など構内営業売上高は、2016年5月から前年割れが続いている。同年12月まで8カ月連続で前年を下回り、爆買いは下火になっている。中部国際空港会社の友添雅直社長は「前々年(2014年)と比較し確実に上がっている」とし、問題はないとの認識を示している。
友添社長は「前年比は(爆買いなどの)特殊要因などもあり、前々年の実績と比較している」とした上で、「2016年4月に中国の税体系が変わったことで、(売上が)少しずつ落ちてきている。同年12月くらいから、少しずつ戻り始めている」と述べ、「これがいつまで続くかは分からないが」と語った。
さらに、経営的にはチャンスあるときにはチャンスをつかまないといけないが、と前置きし「前々年と比較すると、確実に上がっている。一喜一憂する必要はない」と述べ、「2年間で着実にステップアップできるように工夫すればいい」とした。
旅客が増加する将来を見据え、店舗の増床や改修などでさらなる増収を狙う。友添社長は「これから人(旅客)は増えてくる。単価が下がっても、面積で埋め合わせできるようにしたい」と述べた。
2016年暦年の国際線と国内線を合わせた総旅客数は1085万8140人で、前年の2015年と比較すると6.6%、前々年の2014年と比較すると9.8%増加している。このうち、国際線の外国人旅客は236万429人(前年比21.3%増、前々年比76.2%増)だった。
2016年の構内営業売上高は296億4700万円で、前年と比較すると2.9%下回っているものの、前々年比では23.4%上回っている。このうち、免税店の売上は168億6100万円(前年比2.3%減、前々年比47.1%増)となっている。
今後、訪日客の嗜好をどのように予測するか。店舗のラインナップや品ぞろえが、カギになりそうだ。
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中部国際空港 セントレア
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