全日本空輸(ANA/NH)は12月26日夜、エアバスA320neoの初号機(登録番号JA211A、MSN7401)を就航させた。国内の航空会社がA320neoを運航するのは初めて。1月中旬から中国路線など近距離国際線に投入予定で、12月内は国内線に不定期で投入を予定している。
A320neoの「neo」は「ニュー・エンジン・オプション」の略で、小型機A320の発展型。新型エンジンと大型のウイングチップ「シャークレット」を取り付けたことで燃費を15%以上改善し、2020年までに20%へ引き上げる。航続距離は6280キロ、最大離陸重量は79トン、最大運用高度は1万2100メートル(3万9698フィート)となっている。
ANAは2種類あるエンジンのうち、米プラット・アンド・ホイットニー製「PW1127G-JM」を選定。PW1100G-JMは、三菱航空機が開発中の「MRJ」が採用したものと同じ仕組みの「GTF(ギヤード・ターボファン)エンジン」で、ギヤを介してエンジンファンの回転数を制御することで、低燃費と低騒音を実現している。
座席数は2クラス146席で、ビジネス8席とエコノミー138席。1列あたりの座席配列は、ビジネスが2席-2席、エコノミーが3席-3席で、ビジネスは中長距離路線で使う大型機と同様、電動シートを採用。エコノミーは座面を低くすることで、小柄な人でも足つき性を良くした。エコノミーを含む全席に、最新型の機内エンターテインメントシステム(IFE)や電源コンセント、充電用USB端子を設け、大型機並みの装備を小型機にも展開した。
シートピッチはビジネスが50インチ(127センチ)で、エコノミーが31インチ、シート幅はビジネスが20.3インチで、エコノミーが17.5インチ、リクライニングする角度はビジネスが127度、エコノミーが110度。シートメーカーは、ビジネスがレカロ製、エコノミーがゾディアック・シート・US(旧ウェーバー)製を採用した。
テーブルはビジネスとエコノミーともに折りたたみ式で、ドリンクを置くだけの場合などにテーブルを半分の広さに出来る。また、ブルーのLEDが光る手荷物収納棚に示されたシート番号は、点字も併記している。
IFEは、ANAでは初採用となるゾディアック製「Rave」。タッチパネル式モニターはビジネスクラスで12インチを採用するなど、従来よりも大型化した。また、機内インターネット接続サービス「ANA WiFi サービス」にも対応している。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)はA320neoを7機発注。全機が国際線仕様機で、2018年度までに受領する。初号機は11月25日製造で12月15日(日本時間16日)に独ハンブルクで引き渡され、ロシアのノボシビルスクを経由し、17日夜に羽田へ到着した。
26日は、初便となる羽田を午後6時15分に出発する関西行きNH95便の就航前に、機体が報道関係者に公開された。17日に羽田へ到着した際にも公開されているが、今回はヘッドレストカバーや機内誌、安全のしおり、ブランケットなど、商業運航で必要となるものがすべて用意された状態で披露された。
本写真特集は3回で構成。第1回となる今回はビジネスクラスとエコノミークラス、第2回はコックピットとギャレー(厨房設備)、ラバトリー(化粧室)、最後の第3回は機体外観を中心に取り上げる。
*写真は50枚(ビジネス→エコノミーの順)。
*第2回(コックピット・ギャレー・ラバトリー編)はこちら。
*第3回(機体外観編)はこちら。
初日の運航スケジュール
NH95 羽田(18:15定刻、18:22発)→関西(19:40定刻、19:42着)
NH98 関西(20:20定刻、20:26発)→羽田(21:35定刻、21:39着)
ビジネスクラス
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