ボーイングは現地時間12月8日、787型機では胴体が最長の超長胴型787-10の最終組立を、米サウスカロライナ州のノースチャールストン工場で始めたと発表した。2017年の初飛行を目指す。
787-10は787ファミリーで3機種目となる機体で、長胴型の787-9と比べて全長は5.5メートル長く、中胴は3メートル長い。最終組立は前部と中部、後部に分かれている胴体や主翼など、主要部位を結合する仕上げ工程のひとつ。結合後は内装の仕上げや塗装などを行い、製造試験の工程に進む。
今回最終組立が始まったのは、飛行試験初号機。試験後は量産初号機として顧客に引き渡される。2017年に初飛行後、2018年に初号機を引き渡す計画となっている。
前部胴体を比較すると、標準型の787-8が約7メートル、787-9が約10メートル、787-10が約13メートルで、787-10は787-8と比べて長さが約2倍。ボーイングは、787-9の胴体をそのまま延長することから、効率性と共通性の高さをアピールしている。設計と部品の95%は787-9と同一で、製造上の複雑さやコスト、リスクが生産システム全体で軽減され、航空会社に運航上のメリットをもたらすという。
標準座席数は2クラスの場合、787-9より40席多い330席。航続距離は1万1910km(6430海里)で、双通路機(ワイドボディー機)により運航されている路線の90%以上をカバーできる。置き換え対象となる航空機と比べて燃費が25%以上向上し、次世代の競合機と比較しても10%以上優れているとしている。
787の生産ラインはワシントン州シアトルのエバレットと、ノースチャールストンの2カ所にあり、787-10はすべてノースチャールストンで製造する。
787-10は現在までに9顧客から154機を受注。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)から3機受注している。ANAは2019年度から2020年度にかけて受領し、全機を国内線に投入する。
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