ロールス・ロイス(RR)は、米空軍のC-130H輸送機にT56型エンジンのシリーズ3.5能力向上型を搭載した機体の初飛行を終え、燃費向上や運航温度の低減、高高度性能の向上を実証した。
C-130Hはエンジンを4基搭載。ワイオミング州シャイアンの第153空輸航空団(ワイオミング空軍州兵)で実施された初飛行では、一次飛行データで燃費が約12%向上し、タービン温度が約100度以上低くなった。
同エンジンの搭載により、12%以上の燃費削減、25%以上の航続時間延長が実現できる見通し。RRの現地時間12月1日の発表によると、タービン温度の低減によって部品の寿命が延びるため、運用コストを大幅に抑えられるという。米軍では、5年程度で投資を回収できると見込んでいる。
ワイオミング空軍州兵のほか、米国立科学財団並びにニューヨーク州兵が運用するLC-130H「スキーバード」も、米空軍のC-130の中では初めてシリーズ3.5が導入される機材の一つとなる。同機は南極などで運用できるよう、そりを装備している。
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