台湾第3位のトランスアジア航空(復興航空、TNA/GE)は11月22日、会社の解散と運航停止を臨時取締役会で決定した。2014年と2015年に起きた二度の墜落事故で乗客離れが進んだほか、競争激化などにより、事業継続が困難だと判断した。航空券は払い戻しに応じる。
同社は1951年設立で、台湾初の民間航空会社。2014年7月23日と2015年2月4日に、墜落事故を起こした影響などで不振が続き、2016年度第3四半期決算は、累積損失が22億台湾ドルに達した。21日に突如、22日に運航予定だった全便の欠航を発表するとともに、臨時取締役会を開くとしていた。
林明昇会長は、「会社解散は苦渋の決断。国内外の再生支援機構や合併するパートナー、新しい経営グループによる支援を模索したが、実現に至らなかった」との声明を発表した。林会長によると、現時点では資産額が負債額を上回っており、乗客などへ補償が可能だという。現地報道などによると、正式な会社解散は2017年1月に開かれる株主総会後になるとみられる。
未使用の航空券については、12月31日まで払い戻しに応じる。一部使用済みの場合、復路が11月30日までの航空券は、国際線と中国大陸路線は、26日までに他社の航空券をトランスアジア航空が手配。用意できない場合は、未使用分の運賃や空港税などを払い戻す。復路が12月1日以降の場合は、未使用分全額を払い戻す。
トランスアジア航空の日本路線は、2008年のチャーター便からスタート。2012年6月28日に、日本への初の定期便となる台北(桃園)-関西線をデイリー運航で開設した。今年10月30日からの冬ダイヤでは、日本国内へは成田と関西、新千歳、旭川、函館、仙台の6空港に就航しており、12月1日から福岡への乗り入れを計画していた。
また、トランスアジア系列のLCCであるVエア(VAX/ZV)は経営不振により、9月末で日本路線を含めて全面運休した。
問い合わせ先
日本支社:0570-550-075 または 03-5425-1152(月から金 9:30-12:00、13:00-17:30、土日祝休)
台北コールセンター:886-2-412-8133(平日 8:00-19:00、土日祝 8:00-17:00)
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