観光庁の田村明比古長官は11月16日、日本政府観光局(JNTO)のモスクワ事務所を2016年度内に開設する方針を明らかにした。今年は年間2400万人に達する見通しの訪日客数を上積みし、国が定める2020年の4000万人達成を目指す。
この日JNTOが発表した今年1月から10月までの累計訪日客数は、23.3%増の2011万3000人となり、初めて2000万人を突破。10月単月の訪日客数は前年同月比16.8%増の213万5900人で、10月の最高記録を更新した。方面別では、ロシアを除く17市場で10月の過去最高を記録した。
ロシアはウクライナ情勢により2014年8月から経済制裁が続くものの、2カ月連続で前年同月を上回る24.3%増の6500人となった。
田村長官は「インバウンドだけを見ると、ロシアは蚊帳の外みたいなものがあるが、人口は多く、有望な市場」と述べた。「拠点を開設すると、プロモーション活動も活発に出来るようになる。日本人にとっても海外旅行先として観光資源が多く、双方向の交流に向け、政府としても旅行業界と連携して進めていきたい」と語った。
10月の欧州からの訪日客は、英国が22.0%増の3万2000人で域内トップ。フランスの3万人(25.7%増)、ドイツの2万2900人(21.5%増)、イタリアの1万2500人(22.6%増)、スペインの1万1000人(31.2%増)と続いた。
・16年訪日客数、2400万人到達へ 10月も過去最高更新(16年11月16日)