全日本空輸(ANA/NH)は、スマートフォンに表示した2次元バーコードによる国内線の搭乗システム「スキップサービス」を利用する際、iPhone 7などで不具合が起きることを明らかにした。iOSの仕様によるもので、ANAでは別の方法による2次元バーコードの利用を案内している。
スキップサービスは預け荷物がない場合に、空港のチェックインカウンターへ寄らずに搭乗出来るサービス。保安検査場で、スマートフォンに表示させたりパソコンで印刷した2次元バーコードや、ANAのマイレージカードをかざすと、搭乗手続きが出来る。
不具合が起こるのは、アップルの電子決済機能「Apple Pay」の設定や登録を行ったiPhone 7とiPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2(アップルウォッチ)。iOSの仕様により、乗客が表示した2次元バーコード画面が自動的にApple Payに切り替わってしまい、スキップによる搭乗手続きが出来ないトラブルが発生している。
ANAは代替手段として、アップルのアプリ「Wallet(ウォレット、旧称Passbook)」の利用を案内。クレジットカードや搭乗券などの情報を一元管理できるアプリで、乗客には事前に搭乗券の情報をWalletに登録してもらい、保安検査場や搭乗口では、Walletへ登録した2次元バーコードをかざしてもらう。
ANAとコードシェアを実施しているエア・ドゥ(ADO/HD)、ソラシドエア(SNJ/6J)、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)では、ANA便名で購入した航空券に限り、Apple Payで利用できる。3社によると、自社便名で発行する航空券はApple Payで使えないため、ANAと同じ問題は発生しないという。
スキップと同様の搭乗システム「タッチ&ゴー」を提供する日本航空(JAL/JL、9201)でも、同様の不具合が発生。11月に入り、Walletによる利用を呼びかけている。
iPhone 7とiPhone 7 Plusは、日本では9月16日に発売。日本市場向けの端末は、東日本旅客鉄道(JR東日本、9020)が発行する交通系電子マネー「Suica(スイカ)」が使えるApple Payが組み込まれている。Suicaが使えるiPhoneは、シリーズでは初めて。
関連リンク
iPhone向けアプリケーション Passbook・Wallet(ANA)
iPhone
Apple Watch
・JAL、iPhone 7で搭乗用2次元コードの読み取り障害 Apple Pay設定時、iOS仕様で(16年11月4日)