全日本空輸(ANA/NH)は9月15日、ボーイング787型機のエンジン不具合に伴う10月以降の欠航について、全便を運航し欠航しないと発表した。遅延便も発生しない。
ANAの787は今年2月以降、787に搭載されている英ロールス・ロイス(RR)社製エンジン「トレント1000」内にある中圧タービンのニッケル合金製タービンブレードで問題が発生。硫化腐食で生じた亀裂により、1本のブレードで全長の7割にあたる部分が離陸上昇中に破断するトラブルが、今年に入り国際線で2件発生後、国内線でも1件起きた。
ANAは8月25日に事実を公表。翌26日から31日まで、787で運航する国内線の計18便を欠航した。内訳は羽田-伊丹線で8便、羽田-福岡線で6便、羽田-広島線で4便。欠航・遅延が生じたのは国内線のみで、国際線には影響していない。
RRのエリック・シュルツ社長は現地時間9月8日、ANAと問題解決に向けて協力するとともに、不具合が起きた中圧タービンブレードの改良型を、2017年初頭から供給するとの声明を発表。2017年1月にも供給を開始する。ANAが現在保有する全50機の787用エンジン100基については、3年後の2019年末までにすべて改良型に交換する。
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18便を欠航
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