大阪府の保健医療室医療対策課は9月7日、関西空港内で発生している「はしか(麻しん)」の集団感染について、空港従業員33人が感染していると発表した。同日午前10時までの判明分で、前日6日から1人増加した。関西空港を運営する関西エアポートによると、33人のうち29人が回復しているという。
判明した1人について、集団感染との関連は不明。
関西エアポートでは、出社自粛と医療機関での受診を指示。泉佐野保健所や関係機関と引き続き協力し、感染の拡大阻止に向けた対策を講じる。また、関空勤務者向けの対策として、ワクチン未接種で過去にはしかにかかったことのない人物に対し、9月8日からワクチン接種を開始する。
府は8月17日、関空内に勤務する20歳代女性がはしかで入院中との報告を受けた。府の調査によると、同月31日に16人の感染が判明。その後、医療関係者や救急隊員など、感染者と接触したと見られる空港勤務者以外にも拡大している。
府でははしかの疑いがあるケースとして、はしか患者との接触や、アジアなど流行国への最近の渡航歴、8月17日以降の関空利用、8月28日にりんくうプレミアム・アウトレット(泉佐野市)と周辺施設を利用した場合などを挙げている。いずれも発熱やせき、鼻水など症状があった場合に、感染の疑いがあるとしている。
はしかはウイルスによって起こる急性の全身感染症で、感染力が非常に強い。空気や飛沫、接触などの経路で感染し、感染後およそ10日後に発熱やせき、鼻水など風邪のような症状が出る。熱は2-3日続き、一旦は下がるものの、高熱と皮膚の発疹が出る。
世界保健機関(WHO)は2015年3月、日本国内のはしかの状態について、ウイルスによる感染が3年間確認されない「排除状態」にあると認定している。
関連リンク
大阪府保健医療室医療対策課
関西国際空港
麻しん(はしか)に関するQ&A(厚生労働省)
・関空の従業員、はしか感染 8月17日以降の来港者へ注意喚起(16年8月31日)