エアバスは現地時間8月30日、ラタム航空に同社向け向け初号機となるA320neoを引き渡したと発表した。同社はA320neoを導入する米大陸初の航空会社となる。
8月29日に仏トゥールーズで引き渡した。機体は5月から導入を開始した新デザイン塗装で、濃い目の青(インディゴブルー)と赤(コーラルレッド)を配色。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製GTFエンジン「PW1100G-JM」を採用した。
座席数は174席を設定。当初、サンパウロやリオデジャネイロ、ブラジリア、ポルト・アレグレなどブラジル国内線に投入し、11月をめどに南米の周辺国路線に投入する。2機目は今年後半に受領する見込み。
A320neoは、LCCなどに人気の小型機A320の派生型で、燃費を向上した新型エンジンを搭載。PW1100G-JMのほか、CFMインターナショナル製新型エンジン「LEAP-1A」を選択できる。メーカー標準座席数が1クラス156席のA319neoと、180席のA320neo、236席のA321neoの3機種で構成する。
A320neoの導入は5社目で、PW1100Gを搭載した初号機(登録番号D-AINA)は、今年1月20日にルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)へ引き渡された。当初はカタール航空(QTR/QR)へ2015年末に納入予定だったが、PW1100Gの性能上の問題により延期され、ルフトハンザが初納入となった。PW1100Gの問題は今秋にも解消する見通し。
3月にはインドのインディゴ(IGO/6E)に、6月にはインドのゴーエア(GOW/G8)に、それぞれPW1100G-JM搭載機を引き渡した。LEAP-1A搭載機は7月、トルコLCCのペガサス航空(PGT/PC)に引き渡した。
7月末現在、A320neoファミリーは3機種合計で4684機を受注している。内訳はA319neoが58機、A320neoが3436機、A321neoが1190機。ラタム航空はA320neoを48機、A321neoを19機発注している。
ラタム航空はチリのラン航空(LAN/LA)とブラジルのTAM航空(TAM/JJ)による新ブランドで、5月から展開している。両社は2012年7月に提携し、2015年8月には統合の一環として新ブランド名「ラタム」を発表した。
関連リンク
Airbus
エアバス・ジャパン
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