2014年4月28日にピーチ・アビエーション(APJ/MM)の石垣発那覇行きMM252便(エアバスA320型機、登録番号JA802P)が、那覇空港沖で海面75メートルまで降下した問題で、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は7月28日、報告書を公表した。機長と副操縦士による高度の確認や操縦に対する相互確認が不十分で、管制官も降下に気づいていなかったことなどを指摘。自動操縦時の計器による高度確認の徹底などを、再発防止策として求めた。
—記事の概要—
・高度72メートルでゴーアラウンド
・意図せず降下ノブ操作
・高度監視の注意力低下
高度72メートルでゴーアラウンド
報告書によると、2014年4月28日午前11時47分ごろ、石垣空港を午前10時52分に出発したMM252便の高度が、那覇空港の北約7キロ沖で102メートルまで下がり警報装置が作動。操縦していた機長(当時45)が、高度72メートルのところで機首上げをし、ゴーアラウンド(着陸復行)を実施した。管制官とのやり取りは副操縦士(同38)が担当していた。
那覇空港へは北側の滑走路(RWY18)を使用して着陸し、午後0時10分に到着した。乗客53人(幼児1人含む)と乗員6人にけがはなかった。JTSBは翌29日、事故につながりかねない「重大インシデント」に認定した。
機長の総飛行時間は当時約9400時間、A320の飛行時間は約665時間で、副操縦士は総飛行時間約5600時間、このうちA320は約1400時間だった。一方、那覇空港の着陸誘導管制業務は訓練生1人を含む4人の管制官があたっていた。
パイロットへの聞き取りでは、那覇空港へ最終進入中は雲の中を飛行していたという。当該機には、強化型対地接近警報装置(EGPWS)が装備されていた。
意図せず降下ノブ操作
重大インシデント発生時、当該機は最終進入中の機体に対して精測レーダー(PAR)を使い、垂直・水平方向の位置を知らせて誘導する進入方式「PAR進入」で那覇空港へ向けて降下していた。国交省航空局(JCAB)が管制業務を担う空港では、PAR進入は那覇空港のみで実施している。
機長はPAR進入は久しぶりで、
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