エアライン — 2016年6月23日 11:07 JST

南アフリカ航空、スターアライアンス10周年 香港接続で需要拡大へ

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 南アフリカ航空(SAA/SA)航空が今年で航空連合「スターアライアンス」加盟から10周年を迎えた。一方、西アフリカで2014年に猛威を振るった「エボラ出血熱」の風評被害により、直線距離で5500キロ以上離れた南アフリカは渡航者が激減した。

 南ア政府は安全性を訴えているが、長い年月をかけて渡航者が増えてきた南ア旅行は、厳しい状況が続いている。

スターアライアンス加盟10周年記念式典で披露された南アフリカ音楽=16年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田発便が最短乗継

 「南アへの年間渡航者数は、今年は2万5000人程度になるのではないか」と、南アフリカ航空の小野直子・日本支社長は話す。2年連続で過去最多を記録した2013年は、4万2000人だった。

スターアライアンス加盟10周年記念式典で挨拶する南アフリカ航空の小野支社長=16年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社は1997年4月から1999年1月まで、ヨハネスブルグ-関西線をバンコク経由で運航。ボーイング747-200型機で週2往復運航し、日本航空(JAL/JL、9201)とコードシェアを実施していたが、バンコク-関西のみの利用はできない路線だった。

 現在は同じくスターアライアンスの全日本空輸(ANA/NH)が運航する香港路線とコードシェアを実施。2007年4月から関西線、2008年10月から成田線、2012年8月から中部(セントレア)線、2013年9月からは羽田線で実施しており、南アフリカ航空のヨハネスブルグ-香港線と接続している。

 日本から香港経由で向かう運航スケジュールは、ヨハネスブルグ行きSA287便が午後11時55分に香港を出発し、翌日午前7時5分着。香港行きSA286便は、午後5時20分にヨハネスブルグを出発して、翌日午後0時25分に香港へ到着する。

 ヨハネスブルグへ向かう際、香港での接続が最短なのは成田線で、午後6時30分発のSA7139便が午後10時15分香港着となる。復路は香港を午後2時発の中部行きSA7140便、午後2時30分発の羽田行きSA7134便、午後2時55分発の成田行きSA7138便、午後3時20分発の関西行きSA7136便にそれぞれ接続する。

 ヨハネスブルグからのネットワークは、ケープタウンやダーバンなどの南ア国内をはじめ、ウィントフック(ナミビア)やルサカ(ザンビア)、ビクトリアフォールズ(ジンバブエ)、マプート(モザンビーク)など周辺諸国に接続している。

香港経由が現実的

 保有機材は53機で、エアバスA340-600型機が9機、A340-300が8機、A330-200が6機、A320が12機、A319が8機、ボーイング737-800型機が7機、737F貨物機が3機。ヨハネスブルグ-香港線に投入しているA340-600とA340-300のビジネスクラスは、2-2-2席配列のフルフラットシートを採用している。

 小野支社長は、「日本からは香港経由が一番早い」と話す。一方、日本への再就航については、「再就航したいが、現在の規模では香港経由が現実的。さらに渡航者を増やしていきたい」と、当面は香港経由での需要開拓に注力していく。

 6月21日、スターアライアンス加盟10周年の記念式典が都内で開かれた。南ア音楽が会場を盛り上げるとともに、南アへの旅行商品を多く販売した旅行代理店5社が表彰された。受賞した担当者は異口同音に、南ア好きだと語り、魅力を伝えていきたいと意気込みを示していた。

 喜望峰やナミブ砂漠、ナミビアの星空、ザンビアとジンバブエにまたがる世界三大瀑布(ばくふ)の一つビクトリアの滝など、観光資源は豊富。「一度行くと魅せられるのが南ア。ぜひ一度訪れて欲しい」と、小野支社長もアピールする。

 エボラ熱の風評被害を克服し、美しい景色をはじめとする観光地の魅力を日本でも再認識してもらうことが、今年の課題だ。

運航スケジュール
SA286 ヨハネスブルグ(17:20)→香港(翌日12:25)
SA287 香港(23:55)→ヨハネスブルグ(翌日07:05)

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