環境計測機器の販売などを手掛けるタイプエス(群馬県前橋市)は、フィンランドの観測・計測機器大手ヴァイサラと共同開発した上空気象観測用ドローン「R-SWM(リアルタイム-スカイ・ウェザー・モニタリング)」を、10月1日から販売する。
R-SWMは、ヴァイサラの超音波風向風速計と温度湿度計、気圧計、タイプエスの記録装置付き送信装置を搭載。ドローンの機体は、自律制御システム研究所製「ミニサーベイヤー MS-06LA」(標準機体)と「ミニサーベイヤー MS-GEO」(大型機体)の2機種を用意した。
ドローンに搭載するヴァイサラの計測機器は、気象業務法で定められた気象庁検定を取得可能。任意の緯度や経度、高度で観測した気象基本5要素(風向、風速、温度、湿度、気圧)のデータをリアルタイムに地上へ送信し、気象データのリアルタイムモニタリングと記録が出来る。
また、風向風速の観測は、ドローンの飛行方位や速度に影響を受けることから、機体に搭載されたGPS信号などから飛行速度と方向を計算し、観測された値を補正して真の風向風速を観測できる技術を搭載。タイプエスでは特許を出願しているという。
両社では、ドローンの機動性を活用し、ラジオゾンデやドップラーレーダーでは難しかった任意の低層域での気象データ収集が可能としている。ロケット打ち上げ前の上空気象データのリアルタイム調査や、風力発電施設の建設計画時に実施する事前調査や事後検証、ドローン飛行空域の気象データ調査、低層から高層の上空気象観測などでの活用を見込む。
最小構成価格(税別)は、MS-06LAモデルが400万円、MS-GEOモデルが600万円。