国土交通省航空局(JCAB)は5月31日、全日本空輸(ANA/NH)が27日午前に運航した羽田発高知行きNH561便(ボーイング737-800型機、登録番号JA85AN)で、離陸後に機内の気圧が低下していたことを明らかにした。乗客1人が左耳の鼓膜が破れる軽傷を負った。機体を調査した結果、JCABは航空事故につながりかねない「重大インシデント」に認定し、国の運輸安全委員会(JTSB)が調査官を派遣した。
NH561便は27日午前8時22分、乗客164人と乗員6人の計170人を乗せて羽田空港を離陸。同40分ごろに羽田の南西約50キロ、高度約5000メートル上空で、コックピットの計器に機内の気圧低下を示す警告が出たため引き返し、午前9時11分に羽田へ戻った。
羽田で機体を点検したところ、左右のエンジンに1系統ずつある空調システムの両方に不具合が発見され、重大インシデントに認定された。機内の気圧はこのシステムなどでコントロールしている。ANAによると、通常は自動制御しているが、トラブル発生時にパイロットがシステムを手動操作したところ、警告は消えたという。
トラブルが起きた機体は、東北の花をデザインした特別塗装機「東北FLOWER JET(フラワージェット)」。今年2月に引き渡された新造機で、フラワージェットとしては5月14日から運航している。
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全日本空輸
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