日本航空(JAL)が2013年1月から国際線用ボーイング777-300ER型機で提供する新シート。全席から通路へアクセスできるビジネスクラスのフルフラットシート導入や、男性客でも足を組める広さのエコノミークラスのシートが目玉だが、本記事ではプレミアムエコノミーとエコノミーについてまとめた。
“1クラス上”のプレミアムエコノミーとエコノミーはどのようなシートなのだろうか。(ファーストとビジネスはこちら)
プレミアムエコノミー
シート名は「スカイプレミアム」。配列は2-4-2で、シートピッチは約107cm(42インチ)と現行の約97cm(38インチ)から約10cm(4インチ)広げた。アームレスト間のシート幅は約48cmで、タッチパネル式個人モニターは12.1インチ(最前列のみ8.9インチ)のものを導入した。
「初期のビジネスクラス並み」とJALが表現するプレミアムエコノミーは、世界最大級のシートピッチを実現し、シートのスライド幅も従来比で約7cm拡大。前席の背もたれが倒れてこない「FIXED BACK構造」で、一定の居住空間を常に保つ。
ヘッドレスト横にはディバイダーを設け、プライバシーも配慮している。長距離路線用のシートのため、ペットボトルホルダーやカップホルダーのほか、USBポートやパソコン用電源、ビジネスクラスよりも大きい大型テーブルを採用することで機内で仕事をするビジネスマンのニーズにも応じる。また、映像入力端子を使って手元の機器の映像を個人モニターで見ることも可能だ。
シートピッチの拡大だけではなく、機内エンターテインメント(IFE)のシステム機器を座席間に配置することで足もとのスペースを確保。居住性を向上させた。
シートは仏シクマ社製。
エコノミー
シート名は「スカイワイダー」。配列は3-3-3で、シートピッチは最大約86cm(34インチ)と現行の約79cm(31インチ)から約7.6cm(3インチ)広げた。アームレスト間のシート幅は従来より2cm広い約47cm、タッチパネル式個人モニターは10.6インチ(最前列のみ8.9インチ)のものを導入した。
シートバック(背もたれ)部分を薄くしたスリムシートの導入とシートピッチ拡大で、足もとのスペースを最大約10cm広げ、居住性を向上。テーブルは二つ折り構造のものを採用し、食事では通常のサイズで使用し、飲み物だけを置く時は小さくすることが可能になった。
プレミアムエコノミーと同様、USBポートやパソコン用電源、映像入力端子を装備。今後導入が進む機内無線LANサービスも考慮し、スマートフォンホルダーを備えている。小物入れはメッシュ状にし、コンタクトレンズのケースやリップクリームを入れても使いやすいよう配慮した。
シート下部のもの入れには斜めにカットしたネットを付けた。機内で手渡される出入国書類は、深さのあるもの入れに入れてしまうと探すのに苦労するが、このネットであれば取り出しも容易だ。
シートは独ZIM社製。
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