東日本大震災の発生から5年となる3月11日、仙台空港では震災発生時刻の午後2時46分に乗客や航空会社の社員らが1分間の黙祷を捧げた。
空港周辺は爪痕残る
地震発生後、仙台空港には津波が押し寄せ、高さ3.02メートルまで達した。ターミナル1階の柱には、津波が到達した高さが示されている。その後、震災から約4カ月後となる2011年7月25日から国内定期便が、同年9月25日からは国際定期便が再開した。
ターミナルは復旧したものの、空港を一歩出ると海側を流れる貞山堀や、航空大学校方面の土地には津波の爪痕が今も残っている。人々の暮らしと直接関係しない場所が震災前の状態に戻るには、まだまだ時間が掛かりそうだ。
黙祷後最初の運航便は、今年はジェイエア(JAR/XM)の伊丹行きJL2208便で、定刻より3分早い午後2時52分に出発した。
スカイマーク跡地にエアアジア・ジャパン
仙台空港の国内線は現在、全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)、エア・ドゥ(ADO/HD)、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)、アイベックスエアラインズ(IBX/FW)の5社が乗り入れる。国際線は、アシアナ航空(AAR/OZ)とユナイテッド航空(UAL/UA)、中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)、エバー航空(EVA/BR)の4社が就航している。
2015年は、仙台空港に乗り入れる国内線と国際線各1社が撤退。今年も空港運営の民営化など、転換期を迎えている。
国内線で撤退したのは、2013年4月20日に就航したスカイマーク(SKY/BC)。10月24日が運航最終日となった。国際線はハワイアン航空(HAL/HA)で、仙台経由で運航していたホノルル発札幌行きを、10月1日から札幌直行便に切り替えて撤退した。
一方で、明るい話題もある。LCC初の東北就航となったピーチ(13年4月12日就航)は、2017年夏までに国際線就航も視野に入れた拠点化を計画している。
また、今夏に就航予定のエアアジア・ジャパンは、中部空港(セントレア)から札幌(新千歳)、仙台、台北(桃園)の3路線を同時開設する計画。すでに仙台では、スカイマークのチェックインカウンター跡地に場所を構えている。
エアアジア・ジャパンのカウンターには、地上旅客係員を募集する案内が掲げられていた。
*写真は16枚。
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