ボーイングは現地時間9月6日、パイロットが使用するiPad上に航空機の機種や滑走路などに応じた理想的な速度やエンジンのセッティングを示す「オンボード・パフォーマンス・ツール(OPT)」を、カンタス航空(QFA)がローンチカスタマーとして導入すると発表した。QFAは2012年第4四半期(10-12月期)にボーイングの旅客機130機にiPad版のOPTを導入する計画。
OPTはiPad上に航空機の機種や滑走路、天候に応じて理想的な速度やエンジンのセッティングを表示し、ペイロードや航続距離、効率の向上を支援する。
iPad版のOPTはスタンドアロンで使えるほか、携帯型パソコンを機体に固定して利用する「クラス2」やアビオニクスの一部として機体に装備する「クラス3」のエレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)のバックアップとして使用できる。
EFBは従来の紙のマニュアルが大量に入った重いフライトバッグを軽量な機器とソフトウェアで置き換えるもの。性能計算やチャートの表示、地上滑走時の位置表示、ビデオによるフライトデッキ(操縦室)の出入口の監視などが行え、電子書類を閲覧できる。EFBを使用することで、フライトデータの精度向上や地上への報告の改善、ペーパレス化によるコスト削減などが行える。
従来のEFBで使われているオリジナルのOPTのアプリケーションは、2000年初頭から利用され、120以上の顧客を有している。
ボーイングによると、7月中旬の発表以来、80社以上の航空会社からiPad版のOPTについて問い合わせがあるという。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
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