日本航空(JAL/JL、9201)は2月24日、札幌・新千歳空港で福岡行きJL3512便(ボーイング737-800型機、登録番号JA322J)が23日に緊急脱出を行った際、けがをした女性客3人のうち1人が骨折と診断されたことを明らかにした。
23日午後3時10分ごろ、福岡行きJL3512便が午後2時34分に新千歳を出発後、雪の影響で駐機場へ引き返した。この時に駐機場近くのT2誘導路を走行中、右エンジンに不具合が発生。煙が機内に入り、機内で異臭がしたことから緊急脱出を行った。
乗客159人と乗員6人の計165人は、前後左右4カ所のドアから脱出用シューターを展開して緊急脱出し、午後3時27分までに全員が脱出した。
JALによると、緊急脱出時にけがをした女性客3人が病院で診察を受けた結果、1人(74)が胸椎(きょうつい)を圧迫骨折していたことが判明。ほかの2人は軽傷だった。また、男性客1人が体調不良を訴えたが回復し、帰宅したという。
24日は乗客159人のうち、140人が臨時便の新千歳午前8時15分発の福岡行きJL4882便に搭乗し、午前11時3分に到着した。
国土交通省航空局(JCAB)は24日、骨折した乗客が出たことから航空事故に認定した。国の運輸安全委員会(JTSB)は23日に調査官4人を現地へ派遣し、調査を実施している。
当該機は2009年9月に受領した機体で、重整備は2013年11月に実施。エンジンの不具合状況や煙が出た原因は、現在調査を進めている。また、JAL機のシューターを使った緊急脱出は、1996年9月に成田空港で行って以来となった。
国内で緊急脱出を実施した最近の事例は、2015年4月にアシアナ航空(AAR/OZ)が広島空港で起こした滑走路逸脱事故と、2013年1月に全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-8型機で起きたバッテリートラブルによる高松空港への緊急着陸がある。
関連リンク
日本航空
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