全日本空輸(ANA)は8月28日、グループの運航乗務員約2500人全員にiPadをひとり1台配布すると発表した。運航マニュアルの電子化やコックピットでの情報活用の促進を図る。
9月から約300人の運航乗務員を対象に3カ月かけて検証を実施。ANAでのiPadの大規模導入は、4月から約6000人を対象に本格導入を始めた客室乗務員(CA)に続く2例目で、運航乗務員とCAの全員がiPadを携行するのは世界初。2013年2月からの本格導入を計画している。
iPadの導入により、天候など運航情報を機体のドアを閉じるまでコックピット内で更新できるといった利点がある。最新情報を入手することで、より揺れの少ない飛行ルートや高度の選定が容易になり、定時性向上にも寄与する。
機内に搭載するマニュアルの電子化により、機体重量の低減や最新の旅客予約情報、搭載貨物情報に基づいた飛行計画が策定でき、無駄のない燃料搭載が実現できる。また、マニュアルの印刷費の削減や年間数千ページにおよぶマニュアルの配布や管理を効率化し、コスト削減を行う。
CA用iPadのコンテンツで採り入れられた、音声や動画を活用した訓練・教育教材も用意し、運航乗務員のスキル向上にもつなげる。
ANAでは、将来はパイロット用に電子化された各種性能計算やフライトマニュアルなどが表示される「エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)」としてiPadをコックピット内で活用できるようにしたいという。
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