国内外の航空会社で、大型機の主力となったボーイング777。これまでは「ジャンボ」の愛称で親しまれた4発機の747でなければ飛べなかった長距離国際線や、500人以上の乗客を乗せる国内線など、就航から20年を迎えた777は、日本の空の主役となった。
機体製造の面でも、767の日本の分担比率は15%だったが、777では21%まで向上。後継機の777Xも、同じ割合を分担する。777就航から今日までの20年は、日本の航空機製造業界にとっても、ノウハウの蓄積が進んだ20年でもあった。
その777を、日本で最初に発注したのは全日本空輸(ANA/NH)だった。1990年12月に発注し、1995年10月4日に777-200の初号機(JA8197)が引き渡され、同年12月23日に羽田-伊丹線が最初の運航路線となった。就航当時は垂直尾翼に「777」と大きく描かれ、最新鋭機であることをアピールしていた。
特集前編では、ANAの777導入時期と初便、現在の座席配列などをまとめた。後編では、777が就航した1990年代から操縦桿を握ってきたベテランパイロットに、777の特徴やこれまでの機体との違いなどを聞く。
*前編はこちら。
—記事の概要—
・「上手くなったと感じる」
・双発機最長の777-300
・777に運航環境追いつく
・羽田路線を飛ぶANAの777初号機JA8197(写真14枚)
「上手くなったと感じる」
「双発機としては、767より格段に大きくなりましたよ。737の胴体とエンジン経がほぼ一緒ですからね」。ANAのフライトオペレーションセンター B777部 訓練課の教官、佐久間昭嗣機長はこう話す。佐久間機長は777が就航した当時、747-400の副操縦士だった。就航から2年後の1997年、777で機長に昇格した。
計器類は747-400とほぼ同じだったが、操縦系統にフライ・バイ・ワイヤを採用するなど、進歩が見られた。ボーイングのデザインコンセプトについて、佐久間機長は「パイロットが今まで乗っていた機体や受けた訓練を、そのまま生かせるという設計思想です」と説明する。
その思想が現れているのが、PFC(プライマリー・フライト・コンピューター)の存在だ。パイロットがコントロールホイール(操縦桿)を動かすと、PFCが最適な値に調節してから舵面を動かす。このPFCの存在により、747-400を操縦していたパイロットが777に移行しても、機種の違いを意識せず操縦できるという。
PFCが操縦を支援することで、「上手くなったと感じます」と佐久間機長は笑う。そして、同じフライ・バイ・ワイヤを採用するエアバスA320型機と比べると、操縦桿の挙動にもボーイングの設計思想が感じられ、エアバスとのアプローチの違いがあった。「777はトリムが必要になるよう、意図的に
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