エアバスは現地時間12月21日、パーツ輸送を担う次世代大型輸送機「ベルーガXL」の製造を開始したと発表した。スペインの工場で最初の「メタルカット」が行われ、後部胴体の製造を開始した。
後部胴体は2017年初頭、仏トゥールーズで最終組立を実施する。初号機は2019年半ばに就航する予定。
ベルーガXLは、現行の大型輸送機A300-600ST「ベルーガ」の後継機。A350 XWBファミリーの増産に伴い、2014年11月に開発が発表された。A330-200F貨物機をベースに5機製造する。コンポーネントや機器は既存のものを再利用するが、コックピットや貨物室などは新規開発となる。
9月に外寸や最大離陸重量など、仕様策定を終了。全長63.1メートル、高さ18.9メートル、胴体直径8.8メートル、翼幅60.3メートル、翼面積361.6平方メートルと定められた。重量は最大離陸重量が227トン、最大着陸重量が187トン、最大無燃料重量は178トンとなる。
エンジンはベルーガでは米GE製CF6だったが、英ロールス・ロイス製トレント700を選定。航続距離は最大ペイロード(有償搭載量)53トンで2200海里(約4074キロ)とした。
A300をベースとする現在のベルーガより輸送力を30%向上させ、A350 XWBの主翼を2つ同時に運べるようにする。機体断面は1メートル広くなり、ペイロードも12%増える。既存のベルーガは新型機と順次入れ替え、2025年までに退役する見通し。
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