12月17日に供用開始となる成田空港第2ターミナルに増設されたスポット(駐機場)。大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」で、第2ターミナルへ設置された初のマルチスポットだ。
新スポットの細部を見ていくと、スカイマーク(SKY/BC)が2014年冬以降に就航を予定していた、総2階建ての超大型機エアバスA380型機に対応した工事が進められていた名残が目に付く。導入が順調であれば、今頃はここからニューヨークやロンドンへ、国内航空会社初のA380が旅立つ風景が見られた。
67番スポットの途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋(手前)=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
A380の2階ドアにも対応可
増設したのは第2ターミナル本館南側のスポット。地上3階建て、延床面積は約1万6400平方メートルで、ボーイング737型機やエアバスA320型機など小型機の場合は4機、767や777、A330、A350 XWBなどの中大型機は2機駐機できる。
67番スポットの途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
スポット番号は67番と68番。小型機を駐機する場合は末尾にそれぞれ「L」と「R」を追加して運用する。増設により、第2ターミナル内のスポット数は現在の28カ所から32カ所に増える。
増設した67番と68番スポットは、当初スカイマークがA380を導入することを前提に整備が開始された。このため、大型機の最前方左側ドア(L1ドア)とその次位のドア(L2ドア)用の搭乗橋2本のほか、A380の2階ドア用となる3本目の搭乗橋が設けられるよう、途中まで工事を終えている。
今後3本目の搭乗橋を設置するなど、工事の続きを行えば、A380の2階ドアにも対応できる。
スイングゲートで内際兼用
67番と68番両搭乗口から通じる固定橋には、扉を設置。扉を開閉することで旅客動線を変更し、国内線と国際線を使い分けられる「スイングゲート機能」を備えた。出発コンコースには案内サインの誘導のほか、動線に沿うようにデザインした天井で、行き先が直感的に分かるようにしている。
増設するスポットの位置(NAAの資料からAviation Wire作成)
搭乗口の番号も、国際線として使用時は67・68と数字を使い、国内線はN・P・R・Sと英数字を使い分けた。アルファベットのうち、「O(オー)」は「0(ゼロ)」と見間違いやすく、「Q」はアナウンス時に「9」と区別が付きにくいことから除外した。
また、これまで第2ターミナルで特徴的な構造だった吹き抜けを廃止し、より効率的に建物を使用できるよう改めた。
搭乗口前には、イスを用意。席数は国際線498席、国内線309席で、背もたれを後方に倒した席も設け、乗客にくつろいでもらえるようにした。
また、これまでもっとも端に位置していた66番スポットも、搭乗口の位置を67番側に変更。これにより66番までのスポットは国際線専用として運用しやすくなり、67番と68番を国内・国際際兼用として使用することで、動線が明確に分けられるようになる。
*写真は29枚。
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの68番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの68番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの67・68番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの67・68番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの68(手前)・67番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
68番ゲートの途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋(左)=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
68番ゲートの途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋(手前)=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田第2ターミナルに増設される67・68番搭乗口=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2階の66番・67番搭乗口へ向かうエスカレーターと階段=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2階の66番・67番搭乗口へ向かうエスカレーター=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
3階とつながる2階のエスカレーター乗り場=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
従来からある66番ゲート=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
新設された2階の66番搭乗口。従来の搭乗口から移る=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
増設される2階搭乗口前に設けられた背もたれを後方に倒したイス=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
L1ドア用(左)とL2ドア用搭乗橋に通じる通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
L1ドア用(左)とL2ドア用搭乗橋に通じる通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
L2ドア用搭乗橋(左)と途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋につながる通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
途中まで工事が進んだA380の2階用搭乗橋につながる通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2階にある67番ゲートの到着動線=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2階の到着通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2階の到着通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
国内線用の1階と結ぶエスカレーターと階段到着通路=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
1階にある国内線搭乗口と2階を結ぶエスカレーターと階段=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
1階にある国内線搭乗口前=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
1階にある国内線搭乗口前のベンチ=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
1階にある国内線搭乗口の扉=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
大型機と小型機に対応できる「マルチスポット」として増設された成田第2ターミナルの68番スポット=12月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
成田国際空港
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