航空市場に特化したシンクタンクの豪CAPAは現地時間11月23日、アジア地域で最も優れたLCCにピーチ・アビエーション(APJ/MM)を選定した。シンガポール・セントーサ島のホテルで開催した授賞式にピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)が出席し、CAPAのピーター・ハービソン会長から記念の盾が贈られた。
受賞したのは「アジアパシフィック・ローコストエアライン・オブ・ザ・イヤー」で、「CAPAアビエーション・アワード」の一部門として表彰された。
ハービソン会長らによる審査委員会は、日本で増加するLCCの中で、ピーチがサービスと戦略の革新によって差別化を図っていると指摘。授賞理由について、「ピーチは現在、2年連続で黒字を達成している。LCCのビジネスモデルが、日本市場で成功できることを証明した」と語った。
登壇した井上CEOは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた取り組みについて、「政府が訪日客の目標数を、2000万人から4000万人に引き上げを検討している」と話し、「政府は国策として挑戦する。ピーチは『明日の日本を支える観光ビジョン構想会議』の一員として支えていく」と述べた。
井上CEOはピーチが同会議のメンバーに選ばれたことについて、「とても興味深い」とし、ピーチが運航を開始した2012年3月以降、訪日客が増加しているからではないかと理由を語った。
司会者から、日本の若年層が旅行しない傾向にあると言われているのは本当か、と聞かれた井上CEOが「かつてはそうだった。ピーチが運航を開始するまでは」と応じると、会場からは拍手する人々の姿が見られた。
明日の日本を支える観光ビジョン構想会議は、安倍晋三首相を議長とする政策会議で、麻生太郎副総理、石井啓一国交相らで構成。井上CEOはJR九州(九州旅客鉄道)の唐池恒二会長らとともに、有識者メンバーとして参画している。
CAPA(the Centre for Asia Pacific Aviation、アジア太平洋航空センター)は1990年設立。航空市場に特化したシンクタンクで、本部を豪州・シドニーに設置している。
「CAPAアビエーション・アワード」はアジア太平洋地域の優れた航空会社や空港を表彰するもので、審査員にはハービソン会長のほか、エアアジアX(XAX/D7)のアズラン・オスマンラニ前CEOやガルーダ・インドネシア航空(GIA/GA)のエミルシャ・サタル前社長らが名を連ねた。
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ピーチ・アビエーション
CAPA Asia Aviation Summit 2015
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