ANAホールディングス(9202)傘下の全日空商事は11月19日、訪日客向け事業者を対象としたビジネスプラットフォームをインターネット上に開設した。個人旅行者(FIT)向けのコンテンツを掲載し、自治体や企業などから広告などの出稿を募る。個人旅行者には団体旅行とは異なる観光ルートを紹介し、需要喚起を目指す。
「ANA EXPERIENCE JAPAN」は、事業者や自治体、地元企業などと協力し、個人旅行ならではのルートを提案する。オープン時には南九州と道東の2ルートを用意した。今後、東京・京都・大阪などのいわゆる「ゴールデンルート」以外の地域への展開を順次進めていく。
観光庁が認定している「広域観光周遊ルート」をおもに取り上げる。観光庁では東海・北陸・信州などの「昇龍道」や、瀬戸内海沿岸を周遊する「せとうち・海の道」など、計7ルートを認定している。
ウェブサイトのほか、紙媒体の情報冊子も配付。全日本空輸(ANA/NH)のアジア路線機内や発着空港、海外支店などに設置し、年4回、計15万部を発行する。使用言語はウェブサイト同様、英語、中国語(簡体字、繁体字)の3言語。
コンテンツでは、外国人が見て興味深いと思える日本のものを外国人目線で紹介する。オープン時は台湾の人気ブロガー「ペリ」さんが札幌や小樽を紹介。北海道神宮や札幌場外市場、小樽の運河観光などを取り上げた。このほか、レストランのクーポンなども提供する。
日本政府観光局(JNTO)によると、2015年10月までの訪日客数は前年同期比48.2%増の1631万6900人。過去最高だった2014年の年間訪日客数1341万3467人を大幅に上回っている。
関連リンク
ANA EXPERIENCE JAPAN
広域観光周遊ルート(観光庁)
・15年10月訪日客、43.8%増の182万人 中国は年間累計400万人突破(15年11月19日)
・ANA免税店、成田に新店舗 炊飯器で中国客狙う(15年8月5日)