日本航空(JAL/JL、9201)と全日本空輸(ANA/NH)は冬ダイヤ初日の10月25日、羽田空港から中国第3の都市、広州へ乗り入れる路線を開設した。
JAL/ANAとも1日1往復
羽田ー広州線は2社とも1日1往復で開設。JALの広州行きJL087便は、羽田を午前8時50分に出発し、広州へは午後1時5分着。羽田行きJL088便は広州を午後2時50分に出発し、午後7時45分に羽田へ到着する。また、中国南方航空(CSN/CZ)とコードシェアを実施する。
ANAの広州行きNH923便は羽田を午前9時25分に出発し、午後1時50分に広州に着く。羽田行きNH924便は広州を午後3時5分に出発し、午後8時に羽田に到着する。
機材は両社ともボーイング767-300ER型機。JALは227席(ビジネス30席、エコノミー197席)、ANAは214席(ビジネス35席、エコノミー179席)の機材を使用する。
25日の広州行き初便は、JALのJL087便(登録番号JA654J)が定刻より2分早い午前8時48分に、ANAのNH923便(同JA613A)は4分早い午前9時21分に、羽田を出発した。JAL便の就航式典では、乗客が植木義晴社長と客室乗務員の間に入り、記念撮影する姿が多く見られた。
乗客数はJAL便が208人(座席を使用しない幼児2人含む)で搭乗率90.7%、ANA便が196人(同1人)で91.1%だった。両社とも、主に日本からビジネス客や、中国からの観光客の利用を見込む。初便の乗客には搭乗証明書のほか、JALはモバイルバッテリーを、ANAはタオルを記念品として配った。
「新しい門出」
羽田ー広州線は、今年5月に日本と中国の航空当局間で、羽田空港の昼間時間帯乗り入れに合意したことで、既存の北京と上海に加えて、広州へ乗り入れられるようになったことで、開設に至った。日中両国は2012年8月に段階的なオープンスカイ実施で合意したものの、一部の実現に留まっていた。
JALの植木社長は、「難産だったが、(交渉窓口となる国土交通省の)航空局も努力を重ねてくれた。新しい門出の日としてがんばりたい」と意気込みを語った。
一方、中国経済の景気減速が懸念される点については、「今年一番ロードファクター(座席利用率、L/F)が上がったのは中国線。8月後半のL/Fは80%をキープしており、9月も好調に推移している。少なくとも訪日需要に影響は出ていないが、今後は注視していきたい」と述べた。
ANAの内薗幸一副社長は、広州線開設について「ようやく開設できてうれしい」と感想を語った。
羽田発着の国際線では、懸案だった中国路線の拡大が実現した一方、北米路線の交渉が日米間で進んでいない。植木社長は「国と国の交渉なので、しっかり北米にも便を張れるようお願いしていきたい」と、今後の進展に期待を寄せた。
北京・上海も増便
JALは25日からの冬ダイヤでは、広州線のほかに羽田-上海(浦東)線を1日1往復で新設。羽田と上海を結ぶ路線は、既存の虹橋空港への便と合わせて1日2往復に増便となった。また、羽田ー北京線も1日2往復に増便した。
一方、羽田の新路線開設に伴い、25日から成田-広州線(1日1往復)を運休し、成田-北京線は1日2往復を1往復へ減便した。
ANAも、25日から羽田ー北京線と上海線を、これまでの1日1往復から1日2往復に増便。上海線はJALと同様、既存の虹橋空港発着便に加えて、浦東空港への乗り入れ便を開設した。
*写真は15枚。(JAL便セレモニー→JAL便出発→ANA便セレモニー→ANA便出発)
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