天草エアライン(AHX)が2016年1月から導入する、仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機「みぞか号」(登録番号JA01AM)。ATR機の導入実現は国内初で、8月21日に熊本空港へ到着し、9月29日には地元自治体などを招いた内覧会が開かれた。
ATR42-600の座席数は48席で、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW127Mを2基搭載。コックピットはエアバスA380型機の技術を取り入れたグラスコックピットで、最新の航法機器を装備する。
客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。同クラスのターボプロップ機よりも手荷物収納スペースが大きく、LED照明を採用しており、明るい室内となっている。
天草エアラインの機体デザインは「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」から名付けられた、現行のボンバルディアQ100(DHC-8-Q100)型機「みぞか号」(39席)の親子イルカを踏襲し、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」が描かれている。愛称も引き継ぎ、みぞか号は2代目となる。
内装はワインレッドを取り入れ、機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。貨物室は機体の前後に1カ所ずつ設けられ、コックピットと客室の間と機体後部に設けられている。このため、後部ドアから乗り降りする。
熊本空港に隣接する崇城大学の格納庫で開かれた内覧会では、モンタクロース姿のくまモンと、みぞか号のカラーリングを担当した元カーデザイナーで、公認サンタクロースのパラダイス山元さんが、機体を紹介した。内覧会では、くまモンも機内を訪れたが、巨体のため後部ドアから客室までの狭い通路を通るのに苦労していた。
天草エアラインは現在、2000年3月に導入した1機のQ100のみで運航。ATR42は8月21日に熊本空港へ到着した。2016年1月の運航開始まで、乗員訓練を続ける。ATR42の就航とともにQ100は退役し、1機のみの運航体制を継続する。
運航路線は天草-福岡線と熊本線、熊本-伊丹線の3路線だが、機材更新に伴う乗員訓練のため、ATR42が就航するまでは天草-福岡線のみの運航となっている。
写真特集の機体編では、26枚の写真で主に機体外観を紹介する(機内編はこちら)。
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