中国最大のLCC、春秋航空(CQH/9C)は8月26日、中部空港(セントレア)へ新たに3都市から2路線開設すると発表した。9月26日から順次就航し、中部への同社の就航都市は現在の5都市から8都市に増える。
貴陽、常州、銀川から
就航するのは中国南西部の貴陽(キヨウ)と、上海の西に位置する常州(ジョウシュウ)、中国西北の内陸部の銀川(ギンセン)の3都市。9月26日から中部-貴陽線を週3往復、27日から常州経由の中部-銀川線を週4往復で開設する。
3都市とも中国から中部への就航は初めてで、貴陽と常州は日中間の路線としても初となる。機材はエアバスA320型機(180席)で、片道運賃は6000円(燃油サーチャージ、諸税別)から。
貴陽線は月曜と水曜、土曜、常州経由の銀川線は火曜と木曜、金曜、日曜に運航。今回の路線開設で、中部に夜間駐機する機材は、現在の1機から2機に増える。
春秋航空は、6月29日から中部への乗り入れを開始。上海(浦東)と合肥、石家荘、フフホト、ハルビンの5都市へ週14往復運航している。今回の新路線開設で、中部路線は8都市、週21往復に増える。既存の上海線(週4往復)も、9月28日から3往復増便してデイリー運航とし、これを加えると週24往復になる。
同社の黄姜麗(コウ・キョウレイ)市場部副総経理は、「中部路線の搭乗率は95%以上。中部地方にはすばらしい景色があり、多くの中国人に魅力を知ってもらいたい。中部空港と関西空港を重視していく」と語った。
黄氏によると、現在の中部路線の旅客割合は、約6割から7割が中国人の団体客、1割が日本人、残りが個人旅行やビジネス客だという。
中部拠点化は検討課題
夜間駐機する機材の増加による拠点化については、今後の検討課題と述べるに留めた。春秋航空では、中部の夜間駐機を3機に、便数を週42往復に増やす計画があり、空港会社側と今後協議を進めていく。
一方、成田-高松線を10月25日から運休する、春秋航空日本(SJO/IJ)の中部就航の可能性については、現時点で具体化している計画はないという。
また、上海株式市場の株価下落による景気減速の影響については、大きな懸念はないとした。
今回の新路線で、春秋航空の日本路線が就航する都市は日本8都市、中国18都市となる。黄氏は「日本路線の割合は、春秋航空全体の18%」と述べ、他の航空会社を含む日中間の路線全体では約20%にあたるという。
春秋航空では、関西発着便も9月27日から新路線を開設。関西-長春線を、火曜と日曜の週2往復で新設する。
運航スケジュール
中部-貴陽線(9月26日から)
9C8756 中部(14:50)→貴陽(18:35)運航日:月水土
9C8755 貴陽(19:35)→中部(翌日00:45)運航日:月水土
中部-常州-銀川線(9月27日から)
9C8732 中部(09:30)→常州(11:25/12:55)→銀川(15:40)運航日:火木金日
9C8731 銀川(16:40)→常州(19:05/20:35)→中部(翌日00:00)運航日:火木金日
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