ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、8月6日の成田発関西行きMM321便で、累計搭乗者数が1000万人に達した。機内では、乗客にサプライズでプレゼントを実施。到着した関西空港では、井上慎一CEO(最高経営責任者)をはじめ、ピーチのスタッフが乗客を出迎えてプレゼントを手渡した。
中国本土「視野に入れている」
井上CEOは1000万人達成について、「うれしい。予想よりも早く達成できた」と話した。顧客層については、関西からの利用が特に高かったとし、「関西では安くていいものでないと、受け入れてもらえない。それに何とか応えられたのではないか」と分析。「まだま十分だとは思っていない」と、さらなる品質向上を目指す姿勢を示した。
今後の路線拡張については「片道4時間以内の圏内が候補」とし、国内・国際問わず拡張していくとした。具体的な就航地については、「空港の混み具合などもあり、自分たちだけでは決められない」と明言を避けた。また、中国本土への就航については「視野に入れている」とした。
出発50分後にサプライズ
1000万人に達したMM321便は成田を午前11時40分に出発し、関空には午後1時10分に到着する。同便の乗客には1000万人到達は知らされておらず、機内では読書や仮眠、食事を摂る姿が多く見られた。客室乗務員(CA)の林千暖(ちはる)さんをはじめ、4人のCAたちは、普段どおりに接客した。
成田を出発して50分後、林さんが累計搭乗者数1000万人に到達したとアナウンス。「使ってくれて、ほんまおおきに」と、“ピーチ流あいさつ”で謝意を示した。機内では、幼児4人を除く乗客176人に、5000円分のピーチポイントがプレゼントされた。
乗客の1人は、1000万人到達もプレゼントも知らなかった様子で「とてもびっくりした」と話した。中には、ピーチを初めて利用してプレゼントされた人もいたようだ。
1000万人目の乗客となったのは、千葉・成田市在住の川島有香さん・陽向(ひなた)ちゃん親子。川島さんには、1万円分のピーチポイントがプレゼントされた。
大阪に住む姉を訪ねるために利用した川島さんは、自身が1000万人目の乗客になったことに驚いた様子。「CAがきれいなので」(川島さん)、普段からピーチをよく利用しているという。
関空でもプレゼント配布
達成を記念し、MM321便が関空へ到着する午後1時から2時まで、関空第2ターミナルの国内線到着口付近で、プレゼントを配付。同便のほか、石垣発MM232便(午後1時着)と札幌発MM122便(午後1時10分着)の乗客に手渡した。
井上CEOとスタッフは、日本のカワイイ文化の元祖と呼ばれるマルチクリエーター、内藤ルネ(1932-2007年)のキャラクター「RUNE GIRL」をあしらったハンカチと、京都銘菓の生八つ橋「おたべ」を1口サイズにした「こたべ」をプレゼント。「1000万人、おおきにー」と乗客1人ひとりに声をかけながら手渡した。
ピーチは2012年3月1日、3機のエアバスA320型機(180席)で関西-札幌線と福岡線の国内線2路線を開設。当初の便数は1日14便で、1日あたりの乗客数は約1800人だった。
就航から約9カ月後の同年11月29日に搭乗者数100万人を達成。200万人は約5カ月後の2013年5月7日に、500万人は2014年4月28日に突破した。直近では、今年2月28日に就航から3年で800万人に到達。5月には900万人に達した。
同社は8月8日早朝から、国内LCCでは初の羽田発着便となる台北線を開設し、28日には関西-宮崎線、9月4日には那覇-ソウル(仁川)線を新設する。
競合するジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は、8月5日に1000万人に到達。2012年7月の就航から3年1カ月で達成した。6日は全便の機内で抽選会を開いた(関連記事)。
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ピーチ・アビエーション
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