カンタス航空(QFA/QF)が8月1日、羽田空港へ就航した。従来成田発着で運航していたシドニー線を羽田へ移したもので、成田空港へはブリスベン線を新設。いずれも1日1往復で、羽田-シドニー線はボーイング747-400型機、成田-ブリスベン線は新仕様のエアバスA330-300型機で運航する。
カンタスは1947年12月、山口・防府へのチャーター便を皮切りに、日本への乗り入れを開始。羽田へは1948年に就航し、1950年10月から定期便の運航を開始した。羽田-シドニー線は2010年10月の羽田再国際化以来、初の豪州直行便となった。
747の座席数は364席(ビジネス58席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー270席)で、A330-300が297席(ビジネス28席、エコノミー269席)。特に新仕様となるA330が目玉だ。
A330のビジネスクラスは、離陸から着陸までリクライニングできる、1-2-1配列のフルフラットシートを導入。エコノミークラスも、独レカロ製新シートや米パナソニック アビオニクス製IFE(機内エンターテインメント)システム「eX3」を備えている。
羽田-シドニー線は、経済界からも要望が高かった路線で、今年1月に発効した日豪EPA(経済連携協定)により、ビジネスと観光双方の需要が期待できる。
一方、クイーンズランド州の州都ブリスベンは州南部のゴールドコーストや、東海岸沖に位置する世界遺産「グレートバリアリーフ」、州北部のケアンズなど、豊富な観光資源を有しており、新たな観光需要の取り込みを図る。
ネットワーク(路線網)を見ても、羽田は同じ航空連合「ワンワールド」に加盟する日本航空(JAL/JL、9201)の国内線と接続し、成田はカンタス・グループのLCC、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が拠点として路線を展開している。
—記事の概要—
・羽田と成田活用
・LCC定着が必要
海外の航空会社にとって、羽田と成田両空港に乗り入れることは、本音を探るとネガティブな話につながることが多い。カンタス国際線部門のガレス・エバンズCEO(最高経営責任者)に、羽田と成田の住み分けや、カンタスの日本戦略、ジェットスター・ジャパンの支援方針を聞いた。
羽田と成田活用
── カンタスは業績回復プラン「カンタスの変革プログラム」を進めている。現在の進捗状況を教えて欲しい。
エバンズCEO:コストとアセット(資産)両面で、非常にうまくいっている。特に顧客満足度が向上している。チャレンジングな時期ではあるが、投資を惜しまず継続している。
いろいろなプロダクトに投資しているが、特に成田-ブリスベン線にも投入するA330の新しいビジネスクラスやラウンジ、機内食、ワイン、サービストレーニングを重視している。新しいビジネスクラスは、世界の中でもベストのものだ。
まだまだやらなければならないことは沢山あるが、変革プログラムを進めてきた3年半の中でも、特にこの1年間は非常にうまくいっている。
── 日本路線は羽田-シドニー線と成田-ブリスベン線の2路線になる。どのような客層を想定しているか。特に羽田路線は経済界からも要望が非常に多かったが、カンタスではどのように認識しているか。
エバンズCEO:われわれは日本で非常に長い歴史がある。日本経済はまだまだ伸びており、われわれのビジネスも伸びていくだろう。
中でも羽田はビジネス客にとって非常に魅力的で、
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