ボーイングは日本時間7月23日、777型機の後継となる777Xの開発・製造について、三菱重工業(7011)など5社と正式契約したと発表した。製造の分担割合は、現行の777と同じ主要構造部位の約21%。
参画するのは、三菱重工のほか川崎重工業(7012)、富士重工業(7270)、新明和工業(7224)、日本飛行機の5社。また、777Xを開発する際の日本側の窓口として、日本航空機開発協会(JADC)が各社の取りまとめを担う。
777Xでは、現行777の担当部位を基本的に踏襲。三菱重工が後部と尾部胴体、乗降扉を、川崎重工が前部と中部胴体、主脚格納部、貨物扉を、富士重工が中央翼、中央翼と主脚格納部の結合、主脚扉、翼胴フェアリング(前部)を、新明和が翼胴フェアリング(中・後部)を、日飛が主翼構成品の製造を担当する。
777Xは777-8Xと777-9Xの2機種からなり、生産開始は2017年、初号機の引き渡しは2020年を予定。3クラスの標準座席数は777-8Xが350席、777-9Xが400席、航続距離は777-8Xが9300海里(1万7220キロメートル)以上、777-9Xが8200海里(1万5185キロメートル)以上を計画している。
競合機は777-8XがエアバスA350-1000型機で、777-9Xは現時点で存在しない。ボーイングでは、A350-1000との比較で燃費は12%向上し、運航コストは10%減少するとしている。機体価格はカタログ価格で、777-8Xが3億4980万ドル(約432億9800万円)、777-9Xが3億7720万ドル。
6月末現在、6社から306機を受注している。内訳はキャセイパシフィック航空(CPA/CX)が21機、エミレーツ航空(UAE/EK)が150機、エティハド航空(ETD/EY)が25機、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)が20機、カタール航空(QTR/QR)が60機、匿名顧客が10機。国内では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が2014年7月、777-9Xを777-300ERの後継機として20機を正式発注した。
ボーイングは世界47カ国、1万3000社以上の企業から、年間620億ドル以上の製品やサービスを購入している。2014年は価額ベースで、ボーイング全製品に搭載する部品などのうち、60%以上を全世界のサプライヤーから調達した。このうち日本企業からの調達分は50億ドル。ボーイングは今回の契約締結で、今後5年間で360億ドルに達すると予測している。
ボーイングと5社、JADCは2014年6月、参画に関する合意覚書(MoA)を締結した。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
日本航空機開発協会
三菱重工業
川崎重工業
富士重工業
新明和工業
日本飛行機
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