ベルヘリコプター・テキストロンの日本法人、ベルヘリコプターが東京・渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスに東京オフィスを開いて、4カ月が経過した。
日本法人は2014年1月に設立され、3月19日に東京オフィスを正式に開設。日本市場での長期的な顧客やパートナーとの関係構築のほか、民間や官公庁への機体販売とマーケティングも担っている。4月からは、正規カスタマー・サービスを担う富士重工業(7270)や中日本航空、朝日航洋へのサポートをはじめ、販売後のアフターサービスも手掛けている。
7月に入り、中型双発ヘリコプター、ベル525リレントレスが米国で初飛行に成功。日本国内では、7月17日に陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター「UH-X」の開発事業者に富士重工が選定され、ベルは同社と共同開発する。
—記事の概要—
・日本法人設立で販売好調
・ベル525
・次世代ティルトローター機V-280
・UH-X
日本法人であるベルヘリコプターのリチャード・ソーンリー社長に、日本市場の現状やベル525の状況、米陸軍向けに開発中のティルトローター機V-280、UH-Xの意気込みなどを聞いた。
日本法人設立で販売好調
── 日本法人を設立し、東京オフィスを開設した顧客の反応は。
ソーンリー社長:既存顧客と今後新規顧客となり得る潜在顧客の両方から、前向きな反応を得ている。日本法人を設立後、8社へ18機を販売できた。
日本法人を設立した一番の理由は、顧客の声を直接聞き、対応できるようにすること。恵比寿は、パートナーである富士重工業(7270)の本社もすぐ近くにあり、日々のコミュニケーションも楽になった。
恵比寿というロケーションは、新木場ヘリポートや霞ヶ関、防衛省のある市ヶ谷にも便利。だからこそ、この場所を選んだ。窓からはヘリが飛んでいるのがよく見える。私たちの会社以外のヘリもだが(笑)。
── 日本市場では防衛省向けとそれ以外の比率はどの程度なのか。
ソーンリー社長:防衛省向けが3分の2、防衛省向け以外が3分の1だ。1年間で販売が伸びたこともあり、民間向けのシェアは広がっている。
我々の製品はカバーする範囲が、小型から大型までとても広い。それぞれのクラスで競合が存在するが、どのクラスでも提案できる強みがある。
ベル525
── 新型の中型双発ヘリ、ベル525が初飛行に成功した。特徴を教えて欲しい。
ソーンリー社長:民間用ヘリでは世界で初めて、操縦系統にフライ・バイ・ワイヤを搭載した。新技術を搭載し、過酷な条件でも信頼性を保ちながら、パイロットの作業量を減らすことができる。
例えば、フライトコントロールシステムは三重にした。安全性を最優先しており、安全のコントロールを重視した設計だ。コンピューターシステムが正確に運航をサポートしていくようになっている。
用途としては、救難救助活動などに向いている。長距離を飛行できるので、海難救助にも適している。コックピットの視野も同クラスでは一番確保されており、自動化も進んでいる。ホバリング時に、GPSに任せて飛ばすこともできる。
乗員は1人または2人で、乗客は最大20人が乗れる。救難救助であれば、3人から4人くらいの隊員と、10人くらいの救助された人を運ぶことができる。
ベル525が注目を浴びたのは、石油採掘の用途だ。海洋油田は沖で採掘するので、長距離を飛べる必要があり、ある程度の人数を運べなければならない。ベル525なら、2基あるエンジンのうち、1基が機能しなくなる事態が起きても、残り1基で離陸と上昇を続けられる。
また、一番暑い日でも、最大重量を積んだ状態で能力を発揮できる。
── ベル525はどういった経緯で開発されたのか。
ソーンリー社長:今回はベルが一方的に開発したのではなく、いろいろな業界から、こういうヘリを作った方が良い、という要望を吸い上げた。顧客から意見を拾う「カスタマー・アドバイザリー」を2010年に設立し、いろいろな意見をいただいた。
先ほどの救難救助活動や石油採掘といった用途だけではなく、ドクターヘリや要人輸送ヘリとしても利用できる。
── 型式証明はいつごろ取得するのか。初号機の引き渡し時期は。
ソーンリー社長:2017年1-3月期に、FAA(米国蓮舫航空局)の型式証明を取得するのが目標だ。5機の飛行試験機があり、1500飛行時間のフライトテストを行う。
フライ・バイ・ワイヤは民間ヘリでは初めてだが、
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