ボーイングや日本航空(JAL/JL、9201)、全日本空輸(ANA/NH)、東京大学などで結成する「次世代航空機燃料イニシアティブ」(INAF)は、航空バイオ燃料の導入に向けたシンポジウムを都内で7月8日に開催し、2020年の東京五輪までに持続可能な航空機用バイオ燃料を開発する5カ年のロードマップを策定した。都市ゴミや廃油などから燃料を製造。産官学で協力する。
ロードマップによると、都市ゴミと廃食用油のほか、微細藻類、天然油脂、非可食バイオマス、木質草本系バイオマスの6つの原料から燃料を精製する。2015年度から16年度にかけて事業計画を策定し、16年度から18年度にプラントを設計し建設する。19年度に試運転を開始、2020年度から供給を開始するとしている。
原料によって開発期間や供給量が異なる。INAFでは、都市ゴミと天然油脂、廃食用油は、早期の製造開始が期待でき、都市ゴミと微細藻類、非可食バイオマス、木質草本系バイオマスは長期的に供給量の拡大が期待できるとしている。
INAFでは、導入には政策インセンティブを前提条件とし、コスト削減の継続が必要としている。
さらに代替燃料の価格は従来の燃料よりも価格が大きく上回ることは避けられず、今後に向けて検討が必要であるとしている。また、価格差を埋める手段として、サプライチェーン各段階の改善による低コスト化、システム最適化、技術革新、利用者負担、地域負担、公的支援などが考えられ、今後の議論が期待されるとしている。
INAFでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに国内で代替燃料を製造し供給を開始することが、「日本の存在感を確立する好機」としている。
米国エネルギー省(DOE)によると、持続可能な方法で生産したバイオ燃料は、石油由来の従来品と比較して二酸化炭素排出量を50%から80%削減できるとしている。
INAFは2014年5月設立。次世代航空機燃料の導入に向けたロードマップを策定する。航空会社や空港会社、重工各社などが参加。オブザーバーとして農林水産省や経済産業省、国土交通省なども参加し、計46者で構成する。
ボーイングでは、次世代バイオ燃料の導入に向けて、研究を重ねている。
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ボーイング・ジャパン
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