日本航空(JAL/JL、9201)グループの日本エアコミューター(JAC/JC)は現地時間6月15日、離島路線用機材として仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機(48席)の導入を決定したと発表した。8機を確定発注し、1機をオプションで契約した。同契約は14機の購入権付き。
JACは現在ボンバルディアQ400(DHC-8-Q400)を11機と、サーブ340Bを10機の計21機を保有。ATR42-600は2017年から導入を開始し、サーブ340Bを中心に機材更新を進めていく。
ATR42-600は、コックピットにエアバスA380型機の技術を導入。客室は手荷物収納スペースを同クラスの競合機より大きくし、LED照明を採用した。
JACの安嶋新社長は、「ATR42-600の快適性や経済性、信頼性を評価した」と述べ、種子島や屋久島、奄美群島などを結ぶ路線を中心に投入していくと語った。
ATR42-600の導入にあたり、安嶋社長は「ボンバルディアが開発予定のQ400よりも小型の機体と比較して決めた」と明かした。
国内の航空会社では、天草エアライン(AHX)もATR42-600を導入する。安嶋社長はAHXからの整備事業の受託の可能性について、「一緒に離島路線を支えるパートナーとして、部品の共用などを検討していきたい」と語った。
JACは1983年、JALが60%、鹿児島県の奄美群島12市町村が40%出資して設立。本社を鹿児島空港に置き、27路線、1日141便を運航している。
ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本の航空会社でATR機を導入するのは、JACはAHXに続いて2社目となる。
15日から始まったパリ航空ショーで開かれた調印式には、安嶋社長のほかJACのパイロットや客室乗務員、整備士も出席し、集まった報道陣にうちわを配った。