ANAホールディングス(9202)とジャムコ(7408)、三菱重工業(7011)、沖縄振興開発金融公庫、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、沖縄電力(9511)の8者は6月1日、沖縄県が那覇空港に建設する航空機の整備施設で、MRO(整備・修理・分解点検)を手掛ける新会社を設立することで基本合意した。
新会社の名前は「MRO Japan(MROジャパン)」。2017年度下期に事業を開始する。今後国土交通省から航空機整備の認可を取得し、今年9月にMROジャパンとして、伊丹空港で事業を開始する。那覇の施設が完成次第、拠点を那覇へ移す。那覇での事業開始までは、ANAHDが100%出資する。
那覇で事業開始時の資本金は10億円で、出資比率はANAHDが45%、ジャムコが25%、三菱重工が20%で、残りを琉球・沖縄・沖縄海邦の各行と沖縄電力が2%ずつ出資する。
MROジャパンでは、ボーイング767型機や737、エアバスA320型機やA321といった中・小型機をはじめ、三菱航空機のMRJやボンバルディアDHC-8-Q300(Q300)、DHC-8-Q400(Q400)、CRJなどリージョナルジェット機も整備。これまで伊丹で実施してきた機体のペイント作業も行う。また、機体整備時は重整備もできるようにする。
顧客としては、全日本空輸(ANA/NH)などANAグループの航空会社だけではなく、LCCを含む国内外の航空会社を想定。立地を生かし、東南アジアの航空会社にも売り込む。ANAHDの片野坂真哉社長は、「沖縄の地の利を考えると、小型機が多くなるのでは」と述べ、A320や737といったLCCの主力機が主体になることを示唆した。
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