日本航空(JAL/JL、9201)と山形県は5月18日、東京・銀座にある同県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で、特産品販売や観光パンフレットの配布を実施した。
アンテナショップの入口では、孟宗筍(もうそうだけ)を使った庄内地方の「孟宗汁(もうそうじる)」が500杯振る舞われ、JALの大西賢会長や客室乗務員らが通行人を呼び込んだ。昼時とあって、会社員や近くの医院の看護師らが列を作っていた。
パンフレットでは、6月20日と21日に山形市内で開かれる「第4回 日本一さくらんぼ祭り」や、手詰めの高級サクランボ「佐藤錦」500グラムをプレゼントする「ふるさと納税」などをピーアールした。
山形県とJALは、航空会社の自助努力だけでは路線維持や充実が困難な路線を、地域と航空会社の共同提案で増便などにつなげる「羽田空港発着枠政策コンテスト」に応募。2014年3月30日から、羽田-山形線を1日2往復に増便した。
増便の結果、2014年度の提供座席数は前年度比約2倍の10万9896席、乗客数は約2.6倍の7万4687人になった。増便前は昼間に1往復だったが、羽田・山形ともに出発時間を朝と夕方に設定し、利便性を向上させた。機材はエンブラエル170(E170)型機(76席)で、グループ会社のジェイエア(JAR/XM)が運航している。運賃面でも、今年1月6日搭乗分からは搭乗前日まで予約できる「特便割引1」を、新幹線と同等の片道1万1300円に値下げした。
山形県では、JR山形駅と空港を結ぶシャトルバスの運行を再開。「山形空港サポーターズクラブ」を創設し、業務利用を喚起している。
コンテストの評価結果では、2020年の東京オリンピックを契機とした地域活性化策について、オリンピック後をどうするかが描き切れていないと指摘していた。大西会長は「東京だけではなく、日本各地を隅々まで見ていただき、リピーターになっていただく機会にしたい」と述べた。
今後の新幹線との競争について、「山形空港は市内に近く、バスで35分程度で行ける。しかし、空港には出発時刻よりも、かなり前に着かなければならないイメージがある。羽田では手荷物に付けるセルフタグのシステムを導入し、待ち時間を短縮した。新幹線の利用者はサッと乗れる点を評価しているので、われわれも努力し、空港をストレスフリーにしていきたい」と意気込みを語った。
JALは2011年3月に起きた東日本大震災の発生直後から、臨時便の運航などで被災地を支援。2013年6月に始めた「行こう!東北へ」プロジェクトでは、取り組みの一環として東北各県の特産品販売を手伝い、観光ピーアールするイベントを定期的に開いている。大西会長は「一緒に長くやっていくプロジェクトだ」と述べ、継続していく意向を示した。
関連リンク
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