小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」の日本での展示が5月4日、成田空港でラストを向えた。
日本でのお披露目は、ワールドツアーの一環。4月25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、量産16号機(登録番号N420HE)による見学会やデモフライトが行われ、空港を訪れた多くの人を魅了した。
成田では午前の部と午後の部合わせて800人が招待され、午前の部は347人が参加した。
ホンダジェットは、本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が開発。主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載し、パイロット1人でも運航出来る。
成田空港では、長さ4000メートルのA滑走路を、高度約150メートルで北から南へ向けて低空飛行を披露。機体の静かさと運動性能の高さをアピールした。地方空港では高度50メートル程度で実施していたが、安全に配慮した。ホンダジェットは、展望デッキ付近で機体を左右に振りながらフライトした。
国内でのツアー最終日を迎え、HACIの藤野道格社長は、「各地で多くの人に見てもらえ、子供たちからはたくさんの手紙をもらった。ビジネスジェットはまだ日本で普及していないが、理解につながって欲しい」と、安堵しながらも自信に満ちた表情だった。
ホンダジェットは、これまでに100機以上を北米と欧州で販売。3月にFAA(米国連邦航空局)の事前型式証明(PTC)を取得しており、顧客への引き渡しも間近に迫っている。主に個人や企業の自家用機として、購入されているという。
日本でのお披露目を終えたホンダジェットは19日から21日まで、スイスのジュネーブで開催されるビジネス航空ショー「EBACE(European Business Aviation Conference&Exhibition)」に出展。スイスや英国、フランス、ドイツ、ベルギーなど、欧州各国でデモ飛行などを実施する。
関連リンク
HondaJet
・熊本の400人魅了 写真特集・ホンダジェットのデモ飛行(15年5月4日)
・ホンダジェット、熊本でデモ飛行 九州初飛来(15年4月30日)
・美しきビジネスジェット、羽田に飛来 写真特集・ホンダジェット日本初公開(15年4月27日)
・ホンダジェット「フェラガモの靴からイメージ」 藤野社長、次の機体に意欲(15年4月24日)
・ホンダジェット、羽田初飛来 仙台から到着(15年4月23日)