国内の航空会社では最大の連結売上高1兆7000億円を誇る、ANAホールディングス(9202)。10年後の2025年度には、連結で売上高2兆5000億円、営業利益2000億円規模を目指す。
4月1日、6年間グループを率いた前社長の伊東信一郎会長(64)からバトンを受け取ったのは、片野坂真哉社長(59)。鹿児島県生まれの片野坂社長は、東京大学法学部を卒業後、全日本空輸(ANA/NH)に入社し、マーケティング室レベニューマネジメント部長や人事部長、常務取締役執行役員、専務取締役執行役員を歴任した。2013年4月1日の持ち株会社制移行時に発足したANAHDの代表取締役副社長執行役員に就き、グループの人財戦略と経営戦略を担ってきた。
羽田の格納庫で1日に開かれた入社式の寄せ書きでは、「次は宇宙へ」と記した片野坂社長。国際線と国内線の戦略や、2社あるLCC(低コスト航空会社)の目指す方向、ローンチカスタマーとなった三菱航空機のリージョナルジェット機「MRJ」の開発スケジュール見直しへの思い、求める人物像など、ANAグループが目指す姿について、単独インタビューに応じた。
インタビュー第1回は、国際線や国内線、LCCについて。国際線の空白地帯への進出や、国内線の戦略、2社あるLCCを統合するのかなどを聞いた。
*サービスや求める人物像などについて聞いた下編はこちら。
*初飛行の遅れが発表されたMRJやコスト削減について聞いた中編はこちら。
─ 記事の概要 ─
・世界の動きを読み、アジアと地方つなげる
・LCCは中距離リゾート
世界の動きを読み、アジアと地方つなげる
──中期経営計画では、国際線について将来は中東・アフリカなど未就航の「空白地帯」へのネットワーク展開を検討するとあった。
片野坂社長:長期戦略構想の社員向けパンフレットの中で、10年後について、南米やアフリカ、中央アジアをゾーンで示した。社員に熱意を持って取り組んでもらいたいという、メッセージとしての意味が大きい。
社員に期待したいのは、過去の旅客数にとらわれず、政治や経済、貿易の動きを見て、ANAが成長する
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