国土交通省航空局(JCAB)が保有していた日本航空機製造YS-11型機を落札した航空部品販売会社エアロラボ・インターナショナル(大阪・八尾市)は3月30日、羽田空港沖合の新整備場地区でエンジンの最大出力試験に成功した。早期の再飛行を目指す。
同機はJCABの飛行検査機だった機体。6機あったYS-11のうち最後の1機(YS-11A、元登録番号JA8709)で、エアロラボが2014年12月に223万200円で落札した。2月7日にYS-11の元パイロットが左右2基のエンジンを始動して状況を確認し、旧整備場地区で整備と塗装作業が3月まで行われていた。
同社によると旧整備場地区は騒音対策の関係で、最大出力でエンジンの動作確認が出来ない。30日は旧整備場地区から羽田空港の沖合まで自走。英ロールス・ロイス製ターボプロップエンジン「ダート」を30分ほど最大出力で回し、異常がないことを確認した。羽田空港や新整備場地区には、ダートを回すYS-11を一目見ようと多くの人が集まった。
最大出力試験に成功したことで、整備作業は終了。今後は書類が整い次第、米国籍機(Nナンバー機)として登録して再飛行を目指す。また、同社では再飛行に向けた整備費用の寄付を募集している。
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