全日本空輸(ANA/NH)が2010年4月から導入を開始した、長距離国際線用ボーイング777-300ER型機の新仕様機の改修最終号機(登録番号JA782A)が3月19日、成田発シカゴ行きNH12便で就航した。同機の改修完了で、ANAが保有する777-300ERのビジネスクラスは、すべてフルフラットシートになった。
ANAでは、新たなプロダクト・サービスブランド「Inspiration of Japan(IOJ、インスピレーション・オブ・ジャパン)」を2010年から展開。「イノベーティブ」、「際立つ個性」、「モダンジャパン」をキーワードに、空港のラウンジや機内サービスを刷新している。777-300ERも、ビジネスクラスに全席通路アクセスを実現した「スタッガード配列」のフルフラットシートを導入するなど、機内仕様を一新した。スタッガード配列を採用したのは、日本の航空会社では初めて。
IOJ仕様の初号機は、2009年12月30日に引き渡された新造機のJA784A。ANAは現在19機の777-300ERを保有しており、このうち13機がIOJ仕様への改修機で、残り6機は新造当初から同仕様で引き渡された。改修初期は羽田や成田の格納庫で、途中からは中国・アモイにある「HAECO XIAMEN(ヘコ・シーメン、旧称TAECO、テコ)」で、改修作業が行われた。
最後の改修機となったJA782Aは、2月10日午前6時37分にフェリーフライト(回送)として成田を出発し、現地時間同日午前10時5分にアモイへ到着。改修は35日間かけて行われた。3月13日には、IOJ改修の全機完了を祝うセレモニーがHAECO XIAMENで開かれ、関係者が労をねぎらった。同機は17日夜に成田へ到着し、18日に商業運航前の整備を行った。
JA782Aの座席数は、改修後はファースト8席、ビジネス52席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー180席の計264席。改修前はファースト8席、ビジネス77席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー138席の計247席だった。
改修後初便となったNH12便は、乗客210人(うち幼児1人)と乗員16人(運航乗務員3人、客室乗務員13人)を乗せ、定刻より3分早い午前10時42分に成田を出発。同58分に水しぶきを上げながら離陸し、シカゴへ向かった。到着は現地時間午前8時15分を予定している。
*JA782Aのアモイでの改修作業や、IOJ仕様の客室を写真特集で掲載します。
・シートなど客室の様子はこちら。
・改修の様子はこちら。
関連リンク
全日本空輸
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