スカイマークのA330、羽田から最終便　7カ月半で運航停止

　1月31日、民事再生法適用を申請したスカイマーク（SKY/BC、9204）のエアバスA330-300型機による羽田空港からの最終出発便が、札幌の新千歳空港へ向かった。就航キャンペーンとして客室乗務員が着用したミニスカート制服で話題をさらった同機は、経営破綻のあおりを受け、就航からわずか7カ月半で運航停止となった。

羽田を離陸するスカイマークのA330札幌行き最終便＝1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　A330による羽田発最終便は、札幌行きBC727便。定刻の午後6時45分から19分遅れの午後7時4分に羽田第1ターミナル19番ゲートから出発し、札幌には17分遅れの午後8時37分に到着した。機材は3号機（登録番号JA330D）で、札幌を午後9時に出発するBC730便がA330の最終運航便となり、羽田到着の定刻は午後10時40分となっている。

　同社のA330は2014年2月28日、初号機（JA330A）と2号機（JA330B）がエアバスから同時に引き渡された。英ロールスロイス社製トレント700エンジンを搭載し、座席は全271席がシートピッチが広い「グリーンシート」で、主力のボーイング737-800型機（177席）よりも7インチ（約17.8センチ）程度広い38インチ（約96.5センチ）。座席数は737と比べて1.53倍に増えた。機体外観では、機体側面のロゴが、737の「SKY」から、導入予定だったA380と同様に「SKYMARK」とフルスペルで描かれていた。

　グリーンシートは西久保愼一前社長の肝入りで、自ら開発に携わった。「良いシート安く提供する」というコンセプトの下、緑色を基調としたシートの配列は1列7席（2-3-2）で、テーブルは木目の大型のものを採用。全席にパソコン用電源コンセントを備えていた。ゾディアック・シート・US（旧ウェーバー）が製造した。

　引き渡しに先立つ2013年12月11日、仏トゥールーズのエアバスの工場でSKYは、機体とともにキャンペーン用のミニスカ制服を発表。国内初お披露目となった2014年3月7日には、西久保前社長が「シートにも注目して」と訴えるほどだった。

　当初は2014年3月25日から羽田－福岡線に投入予定だった。その後、整備場の認可遅れなどが重なって4月18日に、さらに準備が遅れて5月31日に再延期。その後、運航開始までに訓練などで時間が必要と判断し、3度目の延期で6月14日になった。その後は8月1日から羽田－札幌線にも就航し、2015年3月29日から始まる夏ダイヤでは、羽田－那覇線への投入を表明していた。

　また、2014年8月からは3号機以降の機体で、無料インターネット接続サービス「スカイマーク・フリーWi-Fi」をスタート。A330全機でのサービス展開を予定していた。

　同社は全10機をリース導入する計画だった。1月31日時点で5機を受領済みで、経営破綻により2015年内に受領予定だった残り5機の扱いも課題となる。エアバスと並び、A330をリースする航空機リース会社イントレピッド・アビエーションも大口債権者となる。

　SKYの井手隆司会長はAviation Wireの取材に対し、他社へ機体を貸し出す「サブリース」についても「すでにA330を運航する航空会社にアプローチをかけている」として、検討を進めている。今後は737に機材を一本化することで、運航コストの削減を目指す。

羽田C滑走路へ向かうスカイマークのA330＝1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

C滑走路を離陸するスカイマークのA330＝1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

C滑走路を離陸するスカイマークのA330＝1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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【お知らせ】
A330の受領機数を改めてスカイマークに確認したところ、初出の6機ではなく5機であることを確認しましたので、当該箇所を修正しました。（2015年2月3日 19:20 JST）