国土交通省航空局(JCAB)は1月30日、スカイマーク(SKY/BC、9204)に対して厳重注意した。同社のボーイング737-800型機のうち1機(登録番号JA737Q)が、19日の出発前に必要な整備作業を行わずに運航していた。
当該機は1月16日に運航中、エレベーター(昇降舵)の操舵感覚をパイロットに伝える「エレベーター・フィール・システム」の異常を知らせる警告が、コックピットに表示された。機体を確認したところ、エレベーターには異常はなく、警報装置の故障であることがわかった。
SKYには部品がなかったことと、メーカーが定める「MEL(運用許容基準)」で3日間は故障していても一定条件を満たせば運航できたことから、出発前に操縦系統の作動点検を実施した上で運航していた。
ところが、20日にMELの延長申請をJCABに提出した際、19日の点検記録がないことが発覚。担当した整備士は点検が必要であることは認識していたものの、他の機体の整備作業が入るなどで出発までに点検できないと考え、操縦系統に大きな不具合が見受けられなかったことから、点検しないまま出発させた。JCABによると、16日から18日までと20日の点検記録はあったという。点検が行われていない状態で、羽田発那覇行きなど6便が運航されていた。
JCABの指摘を受け、SKYは20日から29日まで当該機を運航から外した。SKYによると、機体を点検した結果、安全は確認出来たとしている。また、整備士も20日に通常業務から外し、処分を検討している。
JCABはSKYに対し、2月13日までに再発防止策を提出するよう指示した。
SKYは28日に民事再生法の適用を申請。JCABでは安全管理に問題が生じないよう、2月にも監査を実施する。
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