エアバス, 企業, 機体 — 2015年1月14日 17:48 JST

エアバス、A321neo離陸重量増加型ローンチ 大西洋路線にも

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 エアバスは現地時間1月13日、A321neoの最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げたタイプをローンチしたと発表した。ロサンゼルスを拠点とする航空機リース会社エアリース・コーポレーション(ALC)とA321neoの同タイプ機30機追加発注する覚書(MoU)を締結。ALCはA321neo同タイプのローンチカスタマーとなる。

ALCのA321neo(エアバス提供)

 2014年7月、英国のファンボロー航空ショーで、エアバスはALCからA321neo60機の発注コミットメントを獲得。今回のMoU締結でALCは90機を発注することになる。

 MTOWを引き上げたタイプはA321neoのオプションとして設定するもの。最大離陸重量と燃料積載量の増加で、長距離路線でペイロード(有償搭載量)を増やすことができ、航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長する。単通路機としては最長の航続距離となり、大西洋路線にも投入できるようになる。燃料タンクは機体前部の床下に増設する。

 通常のMTOWを引き上げないA321neoの場合、航続距離は約6760キロ(3650海里)。大西洋路線ではロンドン-ニューヨーク間はおよそ8時間となる。

 オプション設定機は長距離路線への導入を想定。客室にはゆったりとした座席配置が可能になったオプション「キャビン・フレックス」も設定する。扉を左右に1つずつ追加し、前方の非常口部分に座席を配置するもので、より多くの座席を設定できるようにした。従来のA321neoは1クラス240席を設定しているが、2クラス合計で206席を搭載できるようになる。初号機の引き渡しは2019年を予定している。

 A320neoファミリーは、新型エンジンと大型のウイングチップ「シャークレット」を取り付けたことで、燃費を最大15%、CO2(二酸化炭素)排出量を1機当たり年間3600トン削減できる。このほか薄型の座席や、機体後部のラバトリー(化粧室)やギャレー(厨房設備)の新配置「スペース・フレックス」などを導入。機内をより効率化、最適化させ、A320従来型(A320ceo)と比較し、2020年までに1座席あたり20%の燃費を向上させる。

 2014年12月末時点での受注数は、70社から3600機以上。

関連リンク
Airbus
エアバス・ジャパン

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