スカイマーク(SKY/BC、9204)は1月に入り、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)に対して、出資を要請する検討を始めた。監督官庁である国土交通省も、SKY側がANAに要請すれば認める意向だ。(2015年1月16日時点の最新記事はこちら)
読売新聞が9日夕刊でこの件を報じた際、SKYは「検討に入った事実はなく、決定した事実もない」と否定。同社幹部はAviation Wireに「コードシェアについて検討を要請しているが、出資要請は一言も言っていない」と説明していた。
しかし、10日までに複数の関係者がAviation Wireの取材に対し、SKYが出資要請を検討していることを明らかにした。
10日に発表となった12月の利用実績は、搭乗者数が2カ月連続で前年同月を下回り、ロードファクター(座席利用率)も12月の数字としては、2005年以来9年ぶりに50%台に落ち込むなど、状況の厳しさが浮き彫りになった。
─ 記事の概要 ─
・どうなる経営陣
・羽田路線の不調響く
・不振続くA330路線
日本航空(JAL/JL、9201)やANAとのコードシェア提携の話題から一転、SKYはなぜ、ANAへ出資要請の検討を始めなければならないのだろうか。
どうなる経営陣
SKYは2014年11月、JALに対してコードシェアによる経営支援を求めた。JALは財務体質が芳しくないSKYへの出資は、リスクになると判断。当初から出資は視野になく、コードシェアの検討に落ち着いた。
ところが、JAL単独による支援に官邸が難色を示したことから、SKYの西久保愼一社長は12月15日、ANAホールディングスの幹部と面会。提携を打診した。
関係者によると、「年末の時点では、2月か3月にJALとANA両社とのコードシェア提携で着地を予想していた」という。しかし、年末年始をはさみ、SKYはANAへ出資を要請する検討に入った。ANA側の出資比率は、20%以下を想定しているとみられる。
一方で、西久保社長は独立経営に強いこだわりがある。SKY幹部は「(ANAから)役員を変えろと言われたこともない」と話すが、企業再生の一般的な姿として、出資する企業から新経営陣が送り込まれる可能性が高い。
このため、仮にANAが出資に向けて動き出したとしても、西久保社長の進退をはじめ、経営体制などで交渉が長引くことも考えられる。
羽田路線の不調響く
では、なぜSKYは1月に入り、ANAに出資を要請する検討を始めたのか。理由の一つとして、12月の利用実績が芳しくなかったことと関係があるとみられる。
12月の搭乗者数は2カ月連続で前年同月を下回る5.7%減の47万4694人。一方、提供座席数は4.2%増の87万4212席だった。この結果、ロードファクターが54.5%と前年同月を5.6ポイント下回った。
全路線平均のロードファクターが50%台に落ち込んだのは、2014年1月の57.9%以来11カ月ぶり。12月の数字としては、2005年の51.4%以来9年ぶりに50%台を記録した。
ANAやJALなどのフルサービス航空会社の場合、損益分岐点となるロードファクターは
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