今年で20年目を迎えた、日本航空(JAL/JL、9201)の新人客室乗務員(CA)有志によるミュージックベル演奏チーム「JALベルスター」。8人のCAが10月から乗務の合間に8回練習し、11月29日と30日の函館を皮切りに、12月13日と14日に名古屋、20日と21日に札幌、23日から25日に東京で公演した。
ベルスターは1995年に結成。毎年年末に各地で公演している。同社は経営破綻によりCAの採用を一時中断していたが、昨年は3年ぶりに新入社員が参加。20年目の今年は、入社3年目と1年目が1人ずつ、2年目が6人の計8人がミュージックベルに挑んだ。
─ 記事の概要 ─
・新曲にも挑戦
・「気づいてくれて、ありがとう」
・一緒にやっている仲間
年末恒例となったベルスターの公演だが、単に“CAがミュージックベルを演奏するクリスマスイベント”ではない。彼女たちの演奏から、狭い機内ゆえ求められる、CAとしての資質が見えてきた。
新曲にも挑戦
ベルスターは前年参加したメンバーのうち、翌年も誰かが参加するようにしており、今回は菊地優子さん(入社2年目)が昨年に続いて参加。昨年のコンサートを取材した際、8人のメンバーで唯一楽器の演奏経験がなかったことを明かした菊地さんは、今年はミュージックベル経験者として、メンバーをリードしていった。
顔合わせとなった10月第1回目の練習。ジングルベルなど2曲を練習したが、曲の頭から最後まで止まらずに演奏し終えるなど、初めてとは思えないチームワークだった。「昨年は最初からここまで出来ませんでした」と、菊地さんも驚いていた。
そして、東京公演初日の12月23日。羽田空港国際線ターミナルのイベントスペース「江戸舞台」で、クリスマスソングなど9曲を披露した。演奏を終えた菊地さんは、「公演を重ねるごとに上達していて、最高の出来」と晴れ晴れとした表情だった。
今回は新レパートリーの開拓にチャレンジ。ディズニーのヒットアニメ映画『アナと雪の女王』から「Let It Go(レット・イット・ゴー)」を披露した。市販の楽譜などを参考に、木藤咲月さん(1年目)がミュージックベルで演奏できるよう、アレンジした。
入社前からベルスターに憧れていた木藤さんは、「ミュージックベルのアレンジは初めてでした。先輩の演奏を動画で聞いたり、想像しながらアレンジしました」と振り返る。しかし、「(今年のメンバーの)先輩にも音を出していただいて出来たものです。私だけではなく、全員で作りあげたものなんです」と、至って謙虚だ。
小学3年生からミュージックベルを演奏している和田沙織さん(2年目)は、「2014年を代表する曲を、2014年のベルスターが演奏できるのは、今回しかありません。光栄ですし、がんばるぞ、という気持ちになりました」と話す。
和田さんによると、一般的にミュージックベル演奏では、難しい楽譜に挑戦するようになっていくことはあっても、新しい曲の楽譜を用意することは、なかなかやらないという。
「いくつものチームでミュージックベルを演奏してきましたが、一番アイコンタクトがあって、心のこもった演奏ができました」(和田さん)と、満足げだった。
メンバーたちは、各地の会場の雰囲気にも助けられたという。伊藤春菜さん(3年目)は、「会場の雰囲気と何回も来てくださる方に助けられました」と振り返る。
菊地さんと和田さんを除くと、6人はミュージックベル初心者だ。内藤扇千さん
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